日本を100人の島に例えて見えてくる経済の本質 言葉を使い役割分担する中でルールが必要になる

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本書には次のような記述があります。

<将来役に立つかもしれない「研究」「防災」「整備」など、お金を稼ぎにくいけど重要な仕事は、お金の自然な流れにまかせていたら誰もやらないので、国が積極的に仕事を作って、給料を払い、サポートする必要があります。(P109・CHAPTER3)>

これは、住民の貢献度によって給料が支払われる仕組みのことです。「研究」「防災」「整備」があることで、私たちの生活は飛躍的に向上しました。「研究」のおかげで私たちの生活は豊かになりました。PCやスマホ、ワクチンの開発などが該当します。自然災害の多い地域なら「防災」は国民生活に影響を及ぼすでしょう。整備も同様です。

<景気が良くても悪くてもインフレになることはあるため、インフレになっているから『景気は良い』『デフレだから景気が悪い』と単純に判断することはできない(P161・CHAPTER4)>

ここでは、インフレとデフレで単純比較ができないことを指摘していますが、これは正しい解釈といえます。いま、ロシア・ウクライナ戦争の影響により物資が高騰しています。事実、多くの消費財メーカーは10月から商品の値上げを行いました。もはや、インフレやデフレの話ではないことは明白だと言えます。

役割分担とはどんなこと?

100人の島は、1人ひとりが自給自足しているのではなく、みんなで協力して、役割分担を決めながら暮らしています。

100人のうち10人が農家だとします。100人が生活するための、食料をつくらなければいけません。40人は職人です。100人が生活するための、建物、家具、服、日用品などのモノを作らなければいけません。残りの50人はサービス業です。100人が生活するためのサービスを用意しなければいけません。

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