コンサルは我が世の春!なぜこんなにモテるのか 独走アクセンチュア、精鋭のマッキンゼーやBCG

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もちろん、人材をかき集め、成長も期待されるコンサル市場を、ほかの業界が放っておくわけはない。IDCJapanによると、国内のビジネスコンサル市場は2021年の5724億円から、2026年には8732億円まで拡大する見込み。近年、この分野に経営資源を集中投入しているのが、公認会計士が集う監査法人だ。

監査法人にとって、本業の監査部門は安定しているものの、相次ぐ不正を反映した監査事業への厳格化などもあって、容易には顧客である監査先の企業を増やせない。一方で増やしているのがコンサルやM&A仲介、ファイナンシャルアドバイザリーなどの非監査部門。ビッグ4のうち3陣営は、もはや業務収入に占める非監査部門の比率のほうが大きい。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の場合、非監査が全体の7割以上を占める。

コンサル市場については弁護士も傍観していない。「5大法律事務所」の一角であるTMI総合法律事務所は、グループ内でスタートアップをいくつも設立。ヘルスケアコンサルやプライバシー&セキュリティコンサルなど、専門のコンサル会社を新設、コンサル志向を一層強めている。これは税理士法人も同じ傾向である。

もうカリスマコンサルの時代は終わった

「大前研一さんや堀紘一さんのような第一世代のカリスマコンサルはいなくなった。もうコンサル会社は規模の勝負だ」(都内のあるコンサル会社社長)。

会計士や弁護士、税理士など士業からの攻勢を迎え撃つコンサル会社も、かつてのようにカリスマコンサルが引っ張る時代は終わった。現に目下、アクセンチュアがDXで求めているのは30種類の人材であり、デザインなども含めると100種類はほしいという。多様な人材を組み合わせ、化学反応を起こす。そんな触媒のような役割がこれからのコンサル会社に要求されているのかもしれない。

コンサル業界はより景気変動に左右されやすいとされる。もうコンサルが“高級派遣”でいられる時代は終わった。効果のよくわからない企画書を出すだけで、大金を支払ってくれる悠長なクライアントはいない。生き残れるコンサルの条件はますます難易度が上がっている。

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。資産運用や相続、年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。大野和幸(X)

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