新幹線客も使いやすい「100円」遊覧バスの利便性 観光地をワンコインでつなぐ・洋野から八戸編

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海沿いを走る洋野町営バスは、中野線のほか、種市行き5本、種市発3本がある大沢線のうち1日1本、片道だけ、角浜(JRの駅名は角の浜)から種市高校を経由する便がある。翌日は6時40分発の八戸行き列車でまず角の浜へ向かう。

この列車も八戸方面へ通う高校生の乗車が多い。バス停は、駅から国道45号へ出ると難なく見つかった。 2005年以前の、JRバス東北時代の標識を流用している。目と鼻の先に青森県階上町との県境を示す看板がある。

岩手と青森の県境
岩手と青森の県境。奥が青森県階上町側(筆者撮影)

7時28分に数人の高校生を乗せたマイクロバスが脇道から現れ、またすぐ国道から左折して海沿いの県道に入る。江戸時代の三陸浜街道で、今は生活道路。台地の上を走るルートで海の眺めもよい。

種市高校で高校生を降ろすとすぐ、川尻地区センターで今度は小学生が乗り込む。そういえばこの便だけ、運行拠点である種市庁舎を越えて、種市小学校まで走ることに気がついた。生徒以外の利用客は1人だけで、スクールバスに便乗しているようなかっこうである。なお、洋野町営バスの運賃は、100円均一。土休日は予約が必要になるが、運賃は変わらない。

角浜地区を走る洋野町営バス
角浜地区を走る洋野町営バス(筆者撮影)
中野線のバス
平日1日2往復だけ走る中野線(筆者撮影)

こちらは7時40分に着いた種市駅で下車。7時51分発の八戸行き列車のほうが、8時18分発の久慈行きより、高校生を含めて利用客が多い様子を眺める。乗り残している玉川―種市間へ向かうべく、久慈行きに乗り込むが、中野線も平日のみ1日2往復が走るだけ。

時間があるので8時31分着の陸中八木まで乗って、防潮堤を眺め、駅から少し離れた小子内(おこない)バス停から、9時04分発の種市庁舎行きに乗った。陸中八木発の種市方面行き列車で言うと、7時39分発の次は9時49分発までないので、町営バスが間を埋めている。それゆえか10人以上の利用があって、マイクロバスは補助椅子まで使われる盛況。多くが9時27分に着いた種市駅で降り、近くのスーパーマーケットへ向かった。この路線も、元はJRバス東北が運行していたルートを代替したものだ。

誰もいない絶景の地

再度、八戸行きに乗って、改めて北隣の青森県三戸郡階上町へ向かう。岩手・青森の県境は列車内からではわからなかった。

八戸線階上駅と階上町コミュニティバス
八戸線階上駅と階上町コミュニティバス(筆者撮影)

階上町にもコミュニティバスが走っているが、海岸線がさほど長くなく山間部へと広がっている町域のため、東部線のごく一部が海沿いを通っているだけ。運行ルートは複雑で町内を循環するような形。階上駅前―旧小舟渡(こみなと)小学校前間に乗るようにした。

10時14分に階上に着いた列車から、10時27分発が接続している。こちらは、小型ながら路線バスらしい車が待っていた。運賃は100円だ。

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