ゼロ法案、類似制度に上がる米国民の悲鳴 年収280万円でも「残業代ゼロ」の可能性?
アメリカのホワイトカラー・エグゼンプション制度も、当初は対象者が限定されていたが、どんどん拡大されてきた歴史があるという。
現在の対象は、管理職や運営職、専門職などで、週455ドル以上の賃金が支払われる場合に限られているが、これは年収換算すると約280万円にすぎないという。
アメリカの実態を知ったうえで「制度改正」の議論を
また、制度が適用されるかどうかが非常にわかりにくいルールになってしまっており、「上司から『あなたは制度の対象者だ』と言われて、そのまま受け入れてしまうケースが多いようだ。日本でも、同様のことが起きる可能性がある」と、三浦弁護士は指摘する。
同制度が適用されるかどうかをめぐる訴訟もかなり起きていて、現在アメリカでは「働いた分の賃金が出ることが当然だ」として、適用要件を見直す流れになってきているそうだ。
調査に参加した塩見卓也弁護士は「高度プロフェッショナル労働制」をめぐり、日本では「あまりにも労働者の意見を反映しない議論が続いている」と指摘。「アメリカの制度実態を明らかにしたうえで、労働法制審議に反映させなければならないという問題意識から調査をおこなった」と、調査のねらいを話していた。
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