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無駄な仕事に大義名分を掲げる日本企業の病理 フルタイムで働かせるための仕事が創出される

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  • 木暮 太一 言語化コンサルタント、ビジネス書作家、出版社経営者、投資家
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それは、新たに仕事がつくり出されているからです。フルタイムで働くことは前提とされ、空白の時間を埋めるために「やるべきこと」がわざわざつくられています。本当はまったくやる必要はないのに、次から次にタスクが増えていきます。

特に日本企業においては、仕事内容が明確に定義されていません。だから本来の自分の業務が終わっても、業務時間中は何かしなければいけません。やることがないのに、まだ帰っちゃいけないから何かして空白の時間を埋めるという感じです。

ただ、ぼくらはその仕事を「無駄だけど、暇つぶしでやらなければいけない」とは捉えていません。無駄な仕事も「重要な仕事」の顔をしてやってくるので、一見やらなければいけない仕事に見えますし、ぼくらも「やらなければいけない」と思ってやっています。

無駄な仕事に大義名分が与えられる

というのは、やることがないからといって、何でもいいので作業をさせればいいというわけではないからです。本人が「仕事をしている」という実感を持てなければ、会社も「仕事」として振ることができません。穴を掘って埋め戻すような明らかに無意味な行為は、「仕事」ではないため、業務命令にならないのです。

そしてその案件を振られたほうも、「本当は完全に不要なタスクだけど、やっておいて」と言われたら、それを仕事として認識することはできません。空白の時間を埋めることだけが目的だったとしても、ある程度「重要なタスクですよ感」は必要になるわけです。

だから、そのタスクにも「やらなければいけない理由」をつけ、大義名分が与えられます。さらにその仕事にも管理職がついて、そのタスクも報告義務が必要になります。

本来は空白の時間を埋めるだけの「暇つぶし」ですから、その仕事を監督する必要はありません。そしてどのようにタスクをこなしたかを報告する必要もありません。でも、それではそのタスクが無駄なものということがバレてしまいます。だから無駄な仕事にもマネージャーがつき、報告義務を課すわけです。

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【何に役立っているかを考える】

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