無駄な仕事に大義名分を掲げる日本企業の病理 フルタイムで働かせるための仕事が創出される

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あなたの会社にも何のためにやっているかわからない定例ミーティング、ありませんか? そして何のためにやっているかわからないミーティングなのに、その議事録をまとめている人、いませんか? その議事録、誰かが一度でも見返したことがあるのでしょうか?

もちろん、百パーセント無駄なミーティングではないと思います。もし百パーセント無駄と思えてしまうようなものだったら、「空白の時間を埋める」という目的が達成されません。

ぼくはサラリーマンのときには、会議があるのは当たり前のことだと思っていました。毎週いくつも会議があり、ときには一日中会議ということもありました。でも冷静になって考えると、会議自体は何の価値も生みません。

そして、自分でビジネスをするようになってからは「会議」をほとんどしなくなりました。もちろん情報共有や意見のすり合わせで会議が必要なこともあります。でもそれは仕方なくやるものであり、やらずに済むのであればやりたくないものです。この感覚はサラリーマン時代にはありませんでした。

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初めて仕事をする人から「ご挨拶に伺いたい」と言われることもあります。サラリーマンのときは何のためらいもなく「ご挨拶」の日程を調整していましたが、今ではすぐに断ります。何か対面で話さなければいけないことがあるのであれば構いません。でも「ご挨拶」をしなければ仕事がうまくいかないということはないはずです。

サラリーマン時代には、「そういうちょっとしたことで人間関係ができあがっていく」と教えられましたが、本当にそうでしょうか? もしそうだとしたら、自分で「この『ご挨拶』が何に役立っているか」を自覚していなければいけません。そして、その時間を割かなければいけない意味を語れなければいけません。

くり返しですが、百パーセント完全に無駄なものはほとんどありません。何かに役立ってはいると思います。しかしその「何かに役立っているはず」という考えが、ぼくら自身に無駄なことをやらせているという事実も忘れてはいけません。

木暮 太一 ビジネス書作家、出版社経営者、投資家

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こぐれ たいち / Taichi Kogure

1977年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。学生時代から複雑な物事を言語化し、シンプルに表現することに執着を持ち、大学在学中に『資本論』の解説書を自作し学内で大ヒットさせる。リアルな現場と経済学の両面から、個人が幸せに生きるための働き方を分析し提言している。コミュニケーション、投資、個人ビジネスの立ち上げ手法を構造化・言語化し累計5万人以上に指導。また出版コンテンツへのコンサルティングも行い、延べ1000冊以上プロデュース。著書に『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点』(講談社+α文庫)など。趣味はハワイ。

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