日本人が陥る「朝食抜き」「短時間睡眠」のリスク メタボのリスクは男性で約3割、女性も2割増

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

朝食をとらない人は、まず体内時計がリセットされません。そのため、栄養からエネルギーを作り出す代謝の働きがうまく動き出さず、肥満になりやすくなります。

また、朝食をとらないと、食べる時間も、活動する時間も、眠りにつく時間も、夜遅い時間帯へとずれていきます。その結果、学校や仕事の始業時間に合わせて無理やり起きなければならず、睡眠時間も足りなくなります。

脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい (講談社+α新書)
『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい (講談社+α新書)』。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

睡眠不足もまた、肥満やメタボ、うつ病などのリスクを高めることが知られています。そして、朝、快調に起きられず、朝食をとる時間もなくなり、体内時計はリセットされないまま、夜型化が進んでいくのです。

このように「朝食欠食」が「睡眠不足」を招き、「睡眠不足」が「朝食欠食」の原因をつくるというように、どちらも関連し合いながら悪循環をくり返すうちに、肥満やメタボ、うつ病というありがたくない"お荷物”を背負わされてしまうのです。

この研究では、朝食欠食と短時間睡眠それぞれが、メタボのリスクを高めることを示しています。ここが重要で、朝食欠食と短時間睡眠が2つ合わさると、男性では1.35倍に、女性で1・17倍に高まりました

実際に、朝食欠食の人は短時間睡眠になりやすく、短時間睡眠の人は朝食を欠食しやすいため、それだけメタボには注意しなければなりません。

柴田 重信 早稲田大学理工学術院先進理工学部電気・情報生命工学科教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

しばた しげのぶ / Shigenobu Shibata

早稲田大学先進理工学研究科電気・情報生命専攻薬理学研究室教授。1953年生まれ。1976年 九州大学薬学部薬学科卒業。1981年同大大学院薬学研究科博士課程修了。薬学博士。早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より現職。日本時間栄養学会会長などを務める。監修書『食べる時間を変えれば健康になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、共著書『Q&Aですらすらわかる体内時計健康法-時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康-』(杏林書院)、『食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門 体内時計が左右する肥満、老化、生活習慣病』 (講談社ブルーバックス) など多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事