日本人が陥る「朝食抜き」「短時間睡眠」のリスク メタボのリスクは男性で約3割、女性も2割増
次に紹介する2021年発表の日本人を対象にした大規模な研究でも、朝食をとらないと肥満やメタボになりやすいことを裏づける結果となりました。
この研究は、35〜69歳の日本人(男性1万4907人、女性1万4873人)を対象に行われました。朝食を週6日以上食べている人を「朝食をいつもとっている人」、6日未満の人を「朝食をとっていない人」と厳しい基準で分け、肥満や高血圧、高血糖、脂質異常などのリスクがあるかどうかを調べました。
解析の結果、朝食をとっていない人はいつもとっている人に対して、男性で1.26倍メタボのリスクが高いことがわかったのです。一般に、メタボのリスクは男性では30代から高まりますが、女性は女性ホルモンの分泌が低下する50代以降に高くなります。そのため、この研究でも、朝食抜きによる女性のメタボのリスクは男性ほどはっきりとは認められませんでした。
しかし、「肥満」(BMIが25以上)のリスクの上がり方は、朝食をとっていない男性で1.15倍、女性で1.18倍でした。
この研究では、同時に、睡眠時間についても調べています。睡眠時間が6〜8時間の人を基準として、6時間未満の「短時間睡眠」の人と、8時間以上の「長時間睡眠」の人のメタボのリスクを調べました。すると、6時間以下の短時間睡眠の人たちがメタボになるリスクは、標準的な睡眠時間の人に比べて男性で1.28倍高くなっていました。
「朝食をとらないこと」と「短時間睡眠」は、まったく異なる習慣のように思われがちですが、体内時計の乱れという点でつながっています。
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