発売から3年経過、トヨタ「RAV4」一部改良の理由 PHVを「Z」として統合、グレード再編の意図は?

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トルクベクタリング機構
トルクベクタリング機構の作動イメージ(写真:トヨタ自動車)

RAV4の大きな魅力のひとつが、前述のとおり、悪路も含めたさまざまなシーンでの高い走行性能だ。とくにガソリン車の4WD仕様には、充実の装備が満載されている。まず、新開発の4WDシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を世界初採用する。これは走行状況に応じ、前後トルク配分に加え、後輪トルクを左右独立で制御する「トルクベクタリング機構」と、4WD走行が不要と判断したときには、後輪に動力を伝達させる駆動系を切り離す「ディスコネクト機構」を組み合わせたものだ。トルクベクタリング機構により、ドライバーはコーナー旋回時などに自らが思い描くラインを正確にトレースすることが可能。また、荒れた路面などでもエンジンのパワーをしっかりと路面に伝えることができ、さまざまな路面状況で安定した車体姿勢での走行を実現する。加えて、ディスコネクト機構により、2WD走行で十分な路面などでは、動力のロスを大幅に低減し、燃費性能の向上に貢献する。

トレイルモード
トレイルモードの作動イメージ(写真:トヨタ自動車)

さらにガソリン車の4WD仕様には、オフロード走行で、路面状況に応じた走行支援を行う「マルチテレインセレクト」も採用し、「マッド&サンド」「ノーマル」「ロック&ダート」といった3つのモードを選択できる。走行する路面状況に応じたモードを選択することで、駆動力、4WD、ブレーキ、ステアリングを統合制御するシステム「AIM(AWDインテリジェント・マネージメント)」が作動。オフロードや滑りやすい路面での走破性を格段に向上させることができる。ハイブリッド車にも、スイッチを押せば車輪がスタックしたときにタイヤへ最適なトルクをかけて脱出を支援する「トレイルモード」はあるが、マルチテレインセレクトの設定はない。こうした、よりオフロード走行を考慮した装備を持つことが、前述のとおり、ガソリン車の4WD仕様が売れ筋である理由のひとつといえる。

一部改良によるグレードの再編

以上がRAV4の概要だが、今回の一部改良では、まず、グレードの再編が行われた。RAV4は、多くの他モデルでは2WD仕様の人気が高いのに対し、4WD仕様が主力となる。従来からエントリーモデルの「X」、中級グレードの「G」、専用フロントグリルなどでオフロード感を高めた「Adventure(アドベンチャー)」の3グレードを4WD仕様のガソリン車とハイブリッド車に設定。一方、2WD仕様は「X」のみという、ある意味割り切った設定が特徴だった。

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