当時のコンパクトSUV市場では、スズキ「エスクード」(1988年)、ダイハツ「ロッキー」(1990年)などが先行していたが、両モデルがフレーム付きボディの本格的クロスカントリー4WDであったのに対し、RAV4はフレームレスのモノコックボデイという一般乗用車に準じた基本設計を採用。一般の乗用車から乗り換えても違和感のない運転感覚と、高い着座位置による取りまわしのよさから、男女問わず幅広い層に支持され、大ヒットを記録した。
RAV4の成功により、ホンダの「CR-V」(1995年)や三菱の「パジェロ イオ」(1998年)など、他メーカーも続々と同コンセプトのモデルを市場投入し、コンパクトSUVは一躍ブームとなる。また、RAV4も1995年4月にホイールベースを210mm伸ばした4ドアモデル、1997年9月には4WDを必要としない人のための2WD(FF)モデルを追加するなどで、ラインナップを強化。より幅広いユーザーをターゲットとしたモデルを揃えた。
海外向けのボディの大型化を図る
その後、RAV4は、2000年に登場した2代目で、ボディサイズを一まわり拡充し、3ナンバーサイズとなる(全長3750~4145mm×全幅1735mm×全高1680~1690mm)。これは、主に北米市場などでのニーズに応えたものだが、海外でも大ヒットを記録したことで、乗用車的設計のクロスカントリー・カーという新ジャンルを確立する。
RAV4の大型化はその後も続き、2005年に登場した3代目は、2代目以上に海外戦略車種としての性格を強めたこともあり、新プラットフォームを採用したボディはさらにサイズアップを敢行(全長4335mm×全幅1815mm×全高1685mm)。日本仕様は5ドアのみを設定し、2.4L・4気筒エンジンを搭載。4WD機構には、2代目までのセンターデフ+ビスカスカップリング式から電子制御式を初採用した。また、海外仕様向けには、3.5L・V6エンジンなどを搭載したロングボディモデルも用意されたが、国内では、そのプラットフォームが2007年8月登場の派生機種「ヴァンガード」に投入された。
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