ティム:「たとえばどんなものを? 例を挙げて教えてもらえるかな」
ショーン:「きっと笑うよ―ほんとにばかげてるからさ。1つはオリンピックで金メダルを獲ること。もう1つは、どれだけ多くの車を手に入れられるかやってみることだった。その当時、自動車業界は、車をプレゼントしてくれたからね。
アメリカ国旗の柄のパンツをはく
調子が良かったからさ、競技が終わる頃には9台も手に入れてたよ。スズキのサイドキック、今乗ってるボルボ、ジープ、その他にもたくさん……。最終的には寄付することにしたんだ。税金とか、諸々の手続きが大変になってきちゃったからさ」
ティム:「今でもそんな風に目標を決めてるの?」
ショーン:「もちろん。毎回適当だけどね。バンクーバーオリンピックでの目標は―こんなこと言うのはどうかしてるけど―オリンピックで金メダルを獲ること、もう1つは、アメリカ国旗でできたパンツを穿くことだった。みんなもやろうよってね……。
アクセル・ローズ(ガンズ・アンド・ローゼズのボーカリスト)が、似たようなものを穿いてる写真を見たのがきっかけだった。僕のに比べてぴちぴちで短かったけどね。『脱ぐのが難しそうだな。でもこれなら僕にだって作れる』って思ったんだ。
こんなくだらない目標を掲げたんだよ。『待てよ、もし優勝したら、ローリング・ストーン誌の表紙に載るかもしれないぞ』ってね」
「でも、それがすごく楽しくて、僕からプレッシャーを取り除いてくれたんだ。オリンピックで優勝するっていう目標は、ものすごく大きいから、ストレスでもあるんだよね。
だからこそ、それを弱めてくれるような何かを持つことが大事なんだ。あの頃は何もかも真剣にやらないといけなかったから、そうやって問題に対処していたんだよ」
ティム:ショーンは、アメリカ国旗のパンツを穿いて、ローリング・ストーン誌の表紙を飾った。
時には、聖地と言われる場所から離れてみることが、大きなアドバンテージをもたらしてくれる―マルコム・グラッドウェルが、著書『天才! 成功する人々の法則』でそのことに触れている。
次にショーンが話してくれたことは、リチャード・ベッツが語っているレストラン選びの論理を思い出させてくれた。
ショーン:「『天才! 成功する人々の法則』を読んで、アイスホッケープレイヤーの話と、その経歴の特異性に、とっても感動したんだ。それで僕も、自分の生活に早速当てはめて考えてみようって思ったんだ。こんな風にね」
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