「クレイジージャーニー」復活に期待してしまう訳 不適切演出と放送倫理違反の不祥事乗り越えた背景

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TBS「クレイジージャーニー」
不祥事から復活する人気番組への期待が高まっています(画像:YouTube「TBS公式 YouTuboo」)

10月17日夜、3年ぶりに「クレイジージャーニー」(TBS系)のレギュラー放送が復活します。

同番組は、「独自の視点やこだわりを持って世界&日本をめぐる“クレイジージャーニー”たちがその特異な体験を語る」というコンセプトの伝聞型紀行バラエティ。2015年1月2日に放送されたパイロット版が、その過激な内容で視聴者の度肝を抜き、3カ月後の同年4月には早くもレギュラー化されました。

視聴者の熱い支持に加えて、ギャラクシー賞や放送文化基金賞を受賞するなど、業界内外から評価を得ていましたが、2019年9月に突然の番組終了。しかもその理由が「爬虫類ハンターの企画で、スタッフが事前準備した生物を使って捕獲シーンを撮影した」という不適切演出だったことで猛批判を受け、打ち切らざるをえない状況に追い込まれてしまったのです。

「復活は不可能だろう」という声が大勢だったが

さらに同年11月に放送倫理・番組向上機構(BPO)の審議入りすることが明かされ、翌2020年8月には「放送倫理違反があった」という見解を発表。「民放局にとっては致命的」と言われる結果となったことで、業界内では「過去の例を見れば、復活は不可能だろう」という声が大勢を占めていました。

しかし、ネット上には「クレイジージャーニー」の話題が出るたびに、「あんな演出がなくても十分面白い」「このまま終わるのはあまりに惜しい」「他の企画に罪はないからできるはず」など擁護の声が続出。制作サイドの不祥事があった場合、ネット上はほぼ批判一色になるものですが、逆に復活待望論があがるほど視聴者から愛されていることが明らかになったのです。

それらの声を受けたTBSは再発防止に向けた議論を重ねたうえで、2021年5月に2時間特番を放送したほか、動画配信サービス・Paraviでの配信も再開。さらに約1年半の時を経た今秋、ついに完全復活というステップを踏んできたのです。

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