「クレイジージャーニー」復活に期待してしまう訳 不適切演出と放送倫理違反の不祥事乗り越えた背景

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バラエティはドラマと比べて配信再生が伸びず、業界内ではその将来を不安視する声もありますが、だからこそ期待されているのは、オリジナリティと熱量があり、SNSで広がりやすいこれらの番組。「クレイジージャーニー」はその筆頭であり、配信での収益化を狙えるバラエティの筆頭となっていく可能性を秘めているのです。裏を返せば、だからこそTBSとしては「不祥事の事実は重いが、それでもあきらめきれない番組だった」のでしょう。

「その後」が気になる人物がズラリ

「クレイジージャーニー」には、前述した丸山ゴンザレスさんと佐藤健寿さん以外にも、少数民族を愛する写真家のヨシダナギさん、アドベンチャーレースの第一人者である田中正人さん、アリマスターの島田拓さん、昆虫食の愛さん、物語を旅する男・高橋大輔さんら、番組ファンたちから「その後の活動を知りたい」と言われるメンバーがいます。

この番組でしか見られない人物と映像があり、コロナ禍が続く中で旅のニーズが上がり、マニアをフィーチャーした番組がウケている。これらの強みや追い風がある以上、復活した「クレイジージャーニー」は、よほどのことがない限り、過去と同等以上の支持を集めるのではないでしょうか。

もちろんMCの松本人志さん、設楽統さん、小池栄子さんがいてこその「クレイジージャーニー」ですが、「もしこの3人がいなかったとしても見続ける」という視聴者は多いでしょう。つまり、「それほどコンテンツとしての魅力がある」ということであり、一部のスタッフが不適切演出をしたくらいでは揺るがなかったのは当然と言えるかもしれません。

「スタッフを一新して臨む」ことを明かしていることも含め、復活が発表されたときに飛び交った「あのまま終わらなくて本当によかった」「この番組が帰ってきてうれしい」などの期待に応えられる番組になりそうです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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