「奨学金は恥ずかしい」今の大学生が思う根本要因 奨学金を叩く報道が、悪いイメージの元凶だ

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松原:私、個人として「奨学金=悪」という風潮になったきっかけは、日本学生支援機構(以下、JASSO)の貸与型の取り立てが民間並みに厳しくなってからだと思います。それまで、JASSOの返済の取り立ては比較的、ユルい感じだったのですが、その間に返済されない延滞金も膨れ上がってしまったんですね。

その結果、奨学金制度が成り立たなくなってきたことで、2010年度から奨学金返済者への督促を民間業者に委託をするようになり、普通の借金の取り立てと同じような扱いになったんです。

そうすると、やはり返済の負の面が目立ち始めてしまい、「本来は国の制度なのに、そんなエグい取り立てをするのはどうなんだ?」と思われるようになっていきました。JASSOとしては何か特別な取り立てをしているわけではなく、貸したものを返してもらうという当たり前のことをきちんとやり始めたというだけの話なのですが。

奨学金はもともと「国が若者を助ける制度」

千駄木:「国が若者を助ける制度」なのに、それを「国が借金させておいて、厳しく取り立てる」という構図になったことで、奨学金制度そのものが叩かれやすくなったということですね。

松原:ただ、そんな中で奨学金を借りた人のほとんどは奨学金に助けられており、毎月しっかりと返済しています。本来はそれがマジョリティのはずなのですが、そこから外れた人は余計に目立ちやすくなるのだと思います。

水戸康徳(以下、水戸):あと、奨学金に関する報道やYouTube動画を見ていると、「叩きやすい材料」が揃っているというか、「叩くときの常套句が真似しやすい」ものがある気がするんです。最近の定番は「『奨学金』という名前そのものがおかしい!」という発言。制度への前向きな改善案というより、制度や利用学生を責めるような文脈で使われてしまいがちです。

そのほかにも「貧乏なら大学に行くな」「借りたくせに甘えるな」など、常套句ともいえるフレーズは多々あります。そして、今度はそういった反応を見た人たちが「なるほど。こうやって奨学金や奨学金を借りている人を叩けばいいのか」と思うようになり、悪循環に陥っている印象を受けます。

千駄木:まさに、そういうフレーズは連載を更新するたびに出てきますね。「奨学金なんてアルバイトで稼げば返せる」とか……。「いつの時代の話をしているんだ?」と、常々感じてます。

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