男性の「かわいい」は文字通り、女性のそれは3種類 「かわいい」を巡るすれ違いは埋められるか
この使い方は、「共感」によって女性同士で繋がるためのものですが、前述のように、女性は大昔から、コミュニティを重視し、採集や子育ての役割を担ってきました。そこで他者とつながるために共感が大切になってくる。というのも、共通の感覚や好み、趣味などを持っている相手に人間は惹かれやすく、共存・協力しやすいのです。
第2には、女性的な表現である「かわいい」を「いいね!」の代わりぐらいに使い、女性的な表現をかもし出すためです。ずばり、自己プロデュースのためです。
一般的に女性はセルフモニタリングの意識が強く、「こう見られたい」というイメージが明確です。簡単に言えば、社会から期待されている「女性らしさ」を演出したいのです。男性が「かわいい」を口にするのに抵抗があるのも、そこに理由があります。それは、「〜だわ」「〜よ」と同じく、女性的な表現だからです。
言語学では、女性が好んで使うこうした言葉を女性語と呼びます。「かわいい」は、文脈によっては女性しか使わない用法があり、その文脈でのこの語は女性語と言えるでしょう。
男性の「かわいい」はハードルが高い
この2つは、本気で対象となる事物を「かわいい」と思っていない場合もあります。
例えば、お店で女性が何かを見て「かわいい」と言っているのを聞いて、男性が「これ買ってあげようか?」とプレゼントしようとしても、「あ、別に大丈夫」とすげなく返されることがあります。こうした「かわいい」の使い方を男性はしませんので、なかなか真意を捉えづらいところがあります。
第3に、本当に愛でるべきものに対しての感動を表明するためです。これは男性と同じ使い方です。同じ言葉にもこれほどの意味の違いがあるとなると、「男女のすれ違い」は避けがたいものがあります。
それでも、男女がわかり合おうと思うなら、どうしたらいいのでしょう。男性側は、女性の「かわいい」連発に腑に落ちないものがあっても、素直に受け入れるのが一番です。「全然かわいくないよ」とツッコむのは無粋すぎます。
また、前述の3つの機能のうち、どれに当てはまる「かわいい」なのか分析してみるのも、感情をコントロールする前頭葉を働かせることになりますから、モヤモヤ、イライラを抑える効き目があるでしょう。
逆に女性側は、男性の「かわいい」は素直に受け取ってください。男性にとってそれはかなりハードルが高く、特別なほめ言葉なのです。「そんなことないです」と否定・卑下してばかりでは、「お世辞でなく本心からほめてるのに、なんで社交辞令みたいな受け取り方して、全然喜んでくれないんだ!」と失望させてしまうことになりますよ。
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