しかし、一口でマレーシアの学校と言っても、そのカリュキュラムは多岐に渡る。公立学校などで採用しているマレーシア式のほか、インターナショナルスクールでは、主流のイギリス式のほか、アメリカ式、オーストラリア式、シンガポール式など、それぞれ学習内容が異なる。同一の教材でこの差を埋めることはできるのか。
「実はどのカリキュラムでも、最終的に学習する内容にはあまり変わりません。ですから学習内容はすべて同じままで、ほとんどの国で問題なく受け入れられています。ただ、英語に関しては英語圏(ネイティブ)のための教材と、非ネイティブのための教材を分けていまして、マレーシアでは英国や米国などと同様の、ネイティブ用の教材を用いています」と高津社長は話す。
英語で読解力を付け、読書ができるようにしておけば、あとは応用力でなんとかなる、というのだ。暗記するのではなく、基礎学力を付けるために読解力をつけるのが目標。数学も、受験のテクニックというより、筋肉を付けて行くイメージなのだろう。
マレーシアのメソッドは日本と同じ
最近では、マレーシアの学校で子どもを教育させながらも、「教育レベルが低いのではないか」と心配する日本人の親の声も聞く。そこでマレーシア人の学力について、シンガポールや日本と比較したときの差はあるのだろうか。
「学力は国別、人種別ではなく、ひとりひとりによって違います。ですから、国ごとの傾向を説明することはできません。マレーシアでも日本とまったく同じやり方をしており、メソッドも同じですよ」という答えが返って来た。
指導者が熱心で、生徒たちの多くが優秀な教室も存在する。なかには70パーセント以上の子どもたちが自分の学年以上の内容を学習する模範教室も存在する。もちろん、教室によっては学習進度がここまで早くないところもある。それにしても、日本と同じ内容の教材でほぼ全世界を教えられてしまうというのには驚かされた。
「ただ、社会科系科目など、国によって内容が大きく異なる科目ももちろん存在します。公文式ではそういった分野には踏み込んでいません。いずれにしても、親が子どもを思う気持ちや夢を目指そうとする子どもの姿は共通であるということを感じています」(高津社長)。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら