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「高給与の会社」は株式パフォーマンスも良い現実 平均年間給与「高い企業」「低い企業」の比較結果

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  • 吉野 貴晶 マネックス証券チーフ・マーケット・アナリスト 兼 マネックス・ユニバーシティ 投資工学研究学長
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ただ、人的資本をとらえるうえで、もっともすぎる尺度といえば、企業が従業員に支払う給与ではないでしょうか。もちろん給与だけがすべてではありませんが、給与が高ければ、優秀な人材を雇うことができますし、従業員の仕事のモチベーションにもつながるからです。

平均年間給与が高い企業と低い企業を比較

そこで下図で、従業員の平均年間給与が高い企業と低い企業の株式パフォーマンスを比較してみました。分析は2010年度からで株式パフォーマンスは3年間で計測しています。人的資本は短期というより、長期的な企業活動に影響が強いと考えたため、3年間と少し長い期間での株式パフォーマンスとの関係を調べました。

分析の基準とした“平均年間給与が高い企業”は、東証株価指数(TOPIX)を構成する銘柄のうち、3月期決算企業を母数としたなかで、年間給与の高いほうから3分の1までに該当する企業としました。一方、平均給与が下位から3分の1までを“平均年間給与が低い企業”とします。

図の中では2019年度のパフォーマンス格差が27.1%となっています。これは2019年度(2020年3月までの1年間)に平均年間給与が高い企業のほうが、低い企業と比べて2021年度までの3年後まで(2022年3月まで)株式投資収益率が平均して27.1%と、大幅に上回ったことを示します。

今回の分析では、業界の違いや従業員の平均年齢などは考慮に入れていません。業界によって給与水準は違うでしょうし、従業員の平均年齢が高ければ、伝統的な年功序列の性質上、平均給与は高くなりがちです。しかし、2010年から見て10年度中6回でパフォーマンス格差がプラスとなっており、平均給与の高い会社のパフォーマンスが優位だったことは注目されます。

次ページが続きます:
【株式パフォーマンスに格差が見られる背景】

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