「高給与の会社」は株式パフォーマンスも良い現実 平均年間給与「高い企業」「低い企業」の比較結果
平均年間給与が高い企業と低い企業の間で、株式パフォーマンスにどのくらいの違いがあるのか、調べてみました。
収益を生む従業員の価値をどう評価する?
近年、企業を評価する軸として“人的資本”が注目されています。人的資本を平たく言うと、技術、能力や仕事への意欲といった企業の収益を生むための従業員の価値のことです。「企業は人なり」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。人を育て、その人を十分に生かしていくことが、企業経営では大切なことという意味です。企業が成長して利益を得るには、高い技術を持って良い製品を作ることです。
とはいえ、技術を蓄えたり、優れた製品を生み出すのは、そもそも“人”ですから、良質な人材や、その能力を引き出すことができる組織が重要となります。ところが、これまで企業が決算で公表する財務諸表には、企業の保有する土地や設備などの“物的資本”の評価額は表されていますが、“人的資本”に関しては、そもそも、どう開示したらよいのかも明確とはなっていませんでした。
こうしたなか、8月に内閣官房から、企業の人的資本をどのように開示していったらいいのかを示す「人的資本可視化指針」が策定されました。今後は同指針に沿って、企業の人的資本の開示が進んでいくことでしょう。
内閣官房の「人的資本可視化指針」では人的資本を開示するための指標が例示されています。そのうちの1つが“研修にかけたコスト”です。研修コストは人を育てるための出費ですから、人的資本を高める投資として実感としてもわかりやすいものです。
また“離職率”も例として挙げられています。企業がいくら優秀な人材を抱えていても、意欲的に仕事ができる組織でなければ、従業員が能力を発揮することができません。離職率が高い企業は、仕事のモチベーションが持てず退職してしまう人が多いため、人的資本の面ではネガティブな評価となります。
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