焼肉ライク、快進撃も通って感じた「一抹の不安」 「いきなりステーキの二の舞い」がちらつく要因
もちろん、この手の話は肉系チェーンに限らない。例えば、スターバックスもコンセプトを見失ったチェーンの1つだ。
日本3位の店舗数なのに「特別感」保つスタバ
現在、スターバックスは日本で3番目に多いチェーンストアである。そのような数の多さにもかかわらず、スタバは独特の「スタバらしさ」ともいえる雰囲気を保っている。
具体的にそれは、職場でも家庭でもない第三の居場所「サードプレイス」という言葉に端的に表されているが、スタバの店舗はその数の増加にもかかわらず、その「コンセプト」を強力に保ち続けているのだ。
しかしそんなスタバも、実は過去に一度、大きな「コンセプトのゆれ」を体験していた。2008年のことである。
すでにアメリカや日本を中心に大規模に店舗を展開していたスターバックスであったが、とくにアメリカでは店舗数が拡大したことによってサービスの低下が起こり、スターバックスらしさが失われていた。
『スターバックス再生物語』(徳間書店)によると、たとえば業務効率化のために取り入れられたエスプレッソマシーンのために店員の顔が顧客から見えなくなってしまった……といった出来事があったという。
スターバックスがコンセプトとして掲げたサードプレイスという、人と人とのふれあいが著しく損なわれてしまったのである。
このようなコンセプトのぐらつきから、2008年にアメリカのスターバックス本社は上場以来初の経営赤字となった。それに伴い、アメリカでは大規模な店舗閉鎖も行われ、急成長を続けてきたスターバックスの歪みが露わとなった。
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