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世界の「経済政策バブル」が弾けようとしている 「八方美人」という方針をとり続ける日本の末路

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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日本馬で勝てた可能性のあったのは、エルコンドルパサー(1999年)とオルフェーヴルの「1年目」(2012年)だけだが、エルコンドルは3歳でジャパンカップを勝ったあとは、すべてをフランスに捧げた。4歳のシーズンは春からフランスに滞在し、5月、7月、9月とレースを使って、凱旋門賞は4戦目だった。

だから不良馬場、相手が化け物モンジューでも半馬身差の2着になったのである。またオルフェーヴルだが、彼は日本競馬史上最高の馬であり、その彼が絶好調だったので、勝つはずだった。だが、これは「準備不足」で負けた。

池江泰寿調教師が正直に告白しているとおり、事前に鞍上のクリストフ・スミヨン騎手に、オルフェーヴルをもっと知ってもらうべきだった。あの狂気のオルフェーヴルなのだから当然なのに、それをまったくといっていいほど、していなかった。

「価値があって勝てるレース」で勝利を

しかも、今年はせっかく4頭も出走したというのに、それぞれの陣営がバラバラに準備した。日本競馬界の悲願というならば、「オールジャパン」で、チームで戦うべきで、それもできないのに勝てるはずがない。

これ以上、「凱旋門賞にチャレンジだ」とか甘いことを言って、日本馬の評価を無駄に落とすのは競走馬の生産者の自滅である。どうしても欧州で勝ちたければ、「価値があるレースでかつ、勝てるレース」を使うべきだ。

すでにタイキシャトルやシーキングザパールが1998年に完勝したように、マイルG1戦を使うべきだ。さらに、欧州の中では固い馬場でスピードがより問われるアイルランドのアイリッシュチャンピオンステークス、そして、現在は凱旋門賞よりも価値があると言われている英国のチャンピオンステークスを狙うべきである。

それらを「これでもか」と勝つ。そのうえで、凱旋門賞をどうしても勝ちたければ、そのあとに、これらと一緒にオールジャパンで遠征・滞在し、「スタミナ凱旋門」に向く馬をぶつけるべきだ。

さらに、日本国内においても対策を提案したいが、それはまた次回。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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