博多大吉「生理の辛さは痛みだけでないと知った」 高尾美穂医師と一緒に「生理」について考える
高尾:「生理は病気じゃない」という話をしましたが、PMSもある意味「病気じゃない」んです。それでもつらいものはつらい。先ほど紹介した大塚製薬の調査では、PMSを自覚して日常生活に支障をきたすと感じている人たちの約6割が、「PMSは自分で対処することが重要」と考えています。その一方で「会社では誰にも相談できない/したくない」人も6割ほどいます。
体調というのはとても個人的なことですし、そんなことで仕事に支障をきたしたり影響を及ぼしたりしてはならないと考えているのでしょう。会社内での責任が上がれば上がるほど誰にも相談できないと感じている人が多いということもあきらかになっていて、深刻さがわかります。
PMSの治療にも、保険適用外ではありますが、低用量ピルが使われることがあります。ピルは毎日少量ずつのエストロゲン、プロゲステロンを錠剤で服用することで、脳から「エストロゲンやプロゲステロンを増やしたり減らしたりしなさい」と指令が出るのをストップさせるのが目的。つまり服用しているうちはホルモンのアップダウンがない、そうするとメンタルと体調のアップダウンも落ち着くというわけです。
PMSも生理同様に社会の理解が大事
大吉:PMSがあって、かつ生理痛や過多月経もしんどいという人は、低用量ピルでどちらも軽くなるということですか?
高尾:そのとおりです。特にPMSの時期は、本人もなぜかわからないまま「調子が悪い」「イライラするなぁ」と思いつつ仕事や家事をしていて、数日後に生理が来てはじめて「あれは生理前の不調だった」とわかる人もいます。
生理を毎月記録する管理アプリなどを利用すると、排卵日やPMSの時期も予測してくれるので、自分の体調を把握するのに便利だと思います。前もってスケジュールをゆるめに組んでおくなど、対処できますよね。
加えて女性ひとりひとりが治療にアクセスできるようになるといいと思うのですが、そうした個人の努力だけに委ねるのでなく、PMSも生理同様「大変なんだ」と社会が理解することも大事だと思っています。
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