博多大吉「生理の辛さは痛みだけでないと知った」 高尾美穂医師と一緒に「生理」について考える

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大吉:こう聞くと、PMSの大変さって、自分でなんとかしたくてもできないことが多そうですね。

高尾:生理前にメンタルの不調が特に強く出ることを、PMDD(PreMenstrual Dysphoric Disorder)といいます。日本語でいうと月経前不快気分障害。ひどく怒りっぽくなって人とのトラブルが増えたり、どうしようもないほど絶望感を感じたり……よく聞くのは「死にたくなっちゃう」ですね。生理がきたらその絶望感から解放されて、「助かった」と思うそうです。でも、万が一のこともあるかもしれない。なんらかの対処が必要ですよね。

大吉:「生理前や生理中のメンタルについて教えてください」という自由回答のアンケート結果を見ると、気持ちの落ち込みようがよくわかります。この質問は「生理中」のメンタルも含まれるようですが、つまり人によっては生理前から生理が終わるまで、ずっとこうした精神状態になりかねないということですよね。それにしても生理前になると死にたくなるって、ホルモンの影響はそこまで大きいのかぁ。

PMDDも婦人科で相談できる

高尾:実際にはPMDDと診断されるのは人口にすると1.8〜5.8%といわれているので多くはないものの、危険な状態になることもあるでしょうし、おそらくご家族や身近な人たちも苦労されていると思います。(※『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』日本精神神経学会日本語版用語監修、医学書院:171-174, 2014)

PMDDも婦人科で相談できます。主に問診で診断するので、生理前にどんな状態になるか、何を困っているかをお聞きします。治療となると、婦人科だけでなく心療内科にも一緒にかかったほうがいいと判断される場合もあります。何かしらできることはあるので、悲観的にならないでほしいですね。

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