なんと宇宙の9割を占めている「謎の物質」の正体 宇宙はいまだに謎に包まれている

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宇宙を満たす未解明の物質を、わかりやすく紹介します(写真:mitch23/PIXTA)
宇宙のほとんどは、いまだ未解明の謎の物質で満たされている。ダークエネルギーとダークマター、耳にしたことはあっても、想像しづらいこの2つの存在を、ホーキング博士に師事した宇宙論研究者が、独自の考察も交えてわかりやすく紹介する(本記事は『面白くて眠れなくなる宇宙』からの抜粋です)。

宇宙のほとんどは未解明の物質で満たされている

私たちが知っている物質は宇宙において、5%未満というのを知っていますか。

まだまだ未解明なもので9割以上満たされているのが宇宙なのです。そのうち、およそ3割がダークマターという光と反応しない物質。残りの大部分は、ダークエネルギーという物質なのかさえわからない未知のエネルギーで満たされていることが、宇宙衛星の観測によりここ10年でわかった事実です。

どちらもその正体は謎であり、それが解けたらノーベル賞はおろか宇宙の真理に決定的に近づくことになります。

とくに後者のダークエネルギーは物理学者もうーーんと頭を悩ませている存在で、「宇宙定数」、あるいは「宇宙項」という物理と密接であるというのが現代のもっとも有力な考えです。「宇宙定数」とは、「Λ」と書き表されますが、ある通常の物質とは違う性質を持つエネルギーが宇宙に満ちている必要があると、数式上でダークエネルギーの存在を仮定していたものです。

これはアインシュタインが最初に予言し、そんなものあるわけないと否定されて人生最大の後悔とさえ思っていたものでした。

しかし、2011年に宇宙定数=ダークエネルギーが宇宙を、圧倒的に支配している存在そのものであることが解明され、アメリカの3人の研究者がノーベル物理学賞を受賞します。

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