宇宙で急病になったらどうする?健康管理の実態 専門知識を持つ医師・フライトサージャンとは
1996年宇宙飛行士候補に選出され、国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の船外活動を行うなどさまざまなミッションを遂行してきた野口聡一宇宙飛行士。宇宙滞在期間は344日を超えており、2020年にはクルードラゴン宇宙船に搭乗し「3種類の宇宙帰還を果たした世界初の宇宙飛行士」として、ギネス世界記録に認定されました。
そんな野口宇宙飛行士が、「子どもも大人も知っておきたい、驚くべき宇宙の世界」について紹介したのが著書『宇宙飛行士だから知っている すばらしき宇宙の図鑑』です。
宇宙についてさまざまな角度から解説した本書から、宇宙における健康管理について綴ったパートを一部抜粋・加筆してお届けします。
宇宙飛行と健康管理
宇宙では、急に病気になっても医師が駆けつけるというわけにはいかないですね。
そこで、各国の宇宙滞在の積み重ねを通じて得られた知見を元に、航空宇宙医学の専門知識を持つ医師「フライトサージャン」が宇宙飛行士の健康管理を行っています。
サージャンとは元は船医を意味する言葉で、宇宙飛行(スペースフライト)を専門とするのでフライトサージャンというわけです。
私が日本人として初めて搭乗したスペースXの民間宇宙船「クルードラゴン」の名前にある「クルー」という言葉も、元は艦船の乗組員を指す言葉でした。航空宇宙の用語には、考え方がよく似ている船の世界から来た言葉がたくさんあります。
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