ロシアとイラン、独裁終焉で訪れる圧倒的無秩序 政権代替でも具体策なく、核保有国がカオスに

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記者会見を行うウラジミール・プーチン大統領
2021年12月23日、モスクワで年次記者会見を行うウラジミール・プーチン大統領(写真:Andrey Rudakov / Bloomberg)

一連のニュースが単なる雑音ではなく、今後について不気味なシグナルを大音量で発する場合がある。9月がまさにそうだった。希望と危険の入り交じった、これまでとは劇的に異なる地政学的状況が現出したのである。ロシア軍はウクライナで壊滅の淵をのぞき、イランの指導部は全国に広がる反政府デモで面目を失った。

両体制の崩壊は時間の問題

ロシアのプーチン大統領の兵隊は、軍隊と呼べる代物ではないことを自ら露呈した。支配地域で民間人を拷問・虐待する一方で、ウクライナ軍が進軍してくると唐突に持ち場を捨てて文字どおり逃げ出した。ファシズムに傾斜するプーチン氏の治安国家は灰と化すのかもしれない。核の脅しは独裁の窮状を自らさらすものでしかない。

イランの指導部は、その不人気ぶりを満天下にさらしている。大規模な反政府デモは何十もの都市に広がり、群衆はイスラム共和制の終焉を迫っている。ソーシャルメディアで拡散した怒りの火の元は、ヒジャブ(髪を覆うスカーフ)を適切に着用しなかったという理由で「道徳警察」に拘束された22歳の女性が勾留中に死亡するという事件だったが、その燃料となっているのは、何十年にもわたる抑圧と腐敗、経済の荒廃だ。

ウクライナの戦争はすでに欧州、いや全世界に地政学的変化をもたらしている。が、プーチン体制に終止符が打たれれば、予想もできない変化に発展しよう。同様に、イランの宗教指導体制が崩れれば、中東全域の情勢が一変する。

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