保護ウサギ200匹が物語る「多頭飼育崩壊」の惨状 知識不足で飼育「こんなはずでは…」という例も

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この調査は2017年7月~2018年10月に全国の小学校2062校から回答を得たものです。飼育が減少する「鳥・哺乳類」ではニワトリやウサギが顕著で、その要因として2004年以降の鳥インフルエンザが流行し、児童が感染することへの不安や懸念、それを考慮して動物飼育の比重が教員に移ったため、その負担増から新たに動物を飼うことを避ける傾向になったことが挙げられています。児童の心をはぐくむ機会が減りつつあるのです。

近年、特にウサギに関しては、動物愛護団体が学校からの「飼いきれない」という要請を受けて引き取る場合もあると聞いています。命の大切さを教えるためにウサギを飼育するはずが、学校側の知識不足や教員の負担増から、結果的に命を粗末に扱うことになるのは悲しいことです。児童への悪影響も否めません。

筆者は、自らの経験も含め、小学校で動物を飼育することを推奨しています。もちろん改善すべき点、検討すべき点はあります。しかしながら、動物を「可愛い、愛おしい」と思う気持ちを持つこと、飼育動物への理解を深めること、命への責任を実感することなど、幼少期にそれらを経験していれば共感性や思いやりが育まれ、大人になってからの行動が多少なりとも違ってくると思うのです。

ウサギに限らずすべての動物に共通することですが、前述したような例を少なからず回避できるのではないか、幸せな飼育のあり方を自ら模索できるのではないかと感じています。

飼う前に動物の生態や飼育法を学ぶ

新たに動物を飼う前には、対象となる動物の生態や飼育法を学ぶことは必須です。イメージだけで何の知識もなく迎え入れることは、その動物を間違った方法で飼育したり、命に関わる事態を引き起こしてしまったりする可能性があります。

なかでも「多頭飼育崩壊」は長期間にわたって動物を劣悪な環境に置き、状態によっては命を危険にさらすことになります。また、飼い主の生活や健康をむしばみ、末路は家庭崩壊にもつながります。まして、「動物愛護管理法違反(遺棄)」は犯罪であり、即動物の命に関わる問題です。どちらの場合も、飼い主と動物の双方がつらい思いをするだけで、本来得られるはずの癒やしや幸せはありません。

しかし、学ぶことでそれらを回避することは可能です。また、学ぶことで飼わないという選択肢も見えてくることでしょう。

動物との暮らしは、私たちの日常に幸せと彩りを与えてくれます。同時に、その動物が健康で快適に暮らせるようにとその幸せを補完し、最後まで飼い続ける責任があります。

飼い主の責任には「動物がその命を終えるまで責任を持って飼育する」「動物の病気や感染症についての正しい知識を学び予防に努める」「他人への迷惑を未然に防ぐ」「むやみに繁殖をさせない」「盗難や迷子を防ぐため所有者を明らかにする」などがあります。動物を飼った以上は、「こんなはずじゃなかった」は通用しないのです。

コロナ禍では生活の変化から動物を飼う人が増えました。同時に、安易に飼育放棄をする人も増えています。知識がないままに飼うことで、動物をつらい目に遭わせている人もいます。飼う前に学ぶことがいかに重要であるか、私たちはそれをしっかり理解する必要があるでしょう。

阪根 美果 ペットジャーナリスト

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さかね みか / Mika Sakane

世界最大の猫種である「メインクーン」のトップブリーダーでもあり、犬・猫などに関する幅広い知識を持つ。家庭動物管理士・ペット災害危機管理士・動物介護士・動物介護ホーム施設責任者・Pet Saver(ペットの救急隊員)。ペットシッターや保護活動にも長く携わっている。ペット専門サイト「ペトハピ」でペットの「終活」をいち早く紹介。豪華客船「飛鳥」や「ぱしふぃっくびいなす」の乗組員を務めた経験を生かし、大型客船の魅力を紹介する「クルーズライター」としての顔も持つ。

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