サッカー日本代表欧州組を支えるキーマンの素顔 クラブと信頼関係を構築、選手ケガ状態を共有

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日本サッカー協会欧州オフィスの津村尚樹ディレクター
欧州組の所属クラブとの関係作りや、選手のメディカルサポートを行う津村尚樹氏(写真:JFA提供)

9月のアメリカ・エクアドル2連戦を1勝1分の無敗で乗り切り、4年にわたる選手個々のテストを終えた森保ジャパン。あとは2022年カタールワールドカップ(W杯)に挑む、11月1日の最終メンバー26人発表を待つばかりだ。

ただ、日本代表の大半は欧州組。ここからシーズンが本格化するため彼らには状態をトップに引き上げてもらわなければならない。そんな選手たちを支えるキーマンがドイツ・デュッセルドルフにいる……。

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エクアドル戦で11人全員を入れ替えた狙い

「長谷部誠(フランクフルト)効果」もあり、鎌田大地(フランクフルト)と三笘薫(ブライトン)の2ゴールでアメリカを撃破した23日とはうって変わって、27日の日本代表はエクアドル戦で苦戦を強いられた。

「W杯初戦のプレッシャーや相手の力を踏まえた時、普段より想像以上に大きなエネルギーを使うので、中3日で心身ともに回復できない状況も起こりうる」と森保一監督は見ており、解決策の一環として今回は11人全員を入れ替えるターンオーバーに踏み切ったからだ。

しかしながら、ボランチの柴崎岳(レガネス)と田中碧(デュッセルドルフ)、トップ下の南野拓実(モナコ)の中盤の三角形を筆頭に実戦経験の少ない関係性がいくつかあり、連係不足が見られ、前半から相手に主導権を握られる。強度や球際の激しさ、鋭いカウンターに押され、耐え忍ぶのがやっと。今季好調の堂安律(フライブルク)や三笘らの仕掛けやシュートシーンも少なかった。

後半頭から最前線の古橋亨梧(セルティック)に代えて上田綺世(セルクル・ブルージュ)を投入したあたりから少しずつ流れが変わり始めたが、得点が遠い。森保監督もベンチに置いていた鎌田や遠藤航(シュツットガルト)ら主力級を投入。そこでようやく攻撃のスイッチが入ったものの、逆に終盤、相手にPKを献上してしまう。

そこで立ちはだかったのが、197センチの長身GKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)。最終予選出場ゼロと今春時点では当落線上とも目された大型GKだが、本番の対戦相手がドイツ、コスタリカ、スペインに決まり、世界基準のサイズを誇る守護神が必要と森保監督は考えたのかもしれない。6月2試合の抜擢に続いて、今回は権田修一(清水)の背中打撲もあってアメリカ戦後半とエクアドル戦に出場。このPK阻止を筆頭にスーパーセーブを連発し、一気に正GK候補へと躍り出た。

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