「地球と月」が実は似ているロマンティックな理由 太陽系の惑星同士は「衝突」を繰り返してきた
というのは、岩石惑星が地磁気をもつには、ある程度条件が必要です。それは内部のコア(中心部分。核ともいう)が冷えずに液体のように流動していることです。これは地球で起こるあらゆる現象の源であり、地震、大陸移動、火山といったものはすべてこの内部コアの流動性がもとになって起きています。
火山はとくに生命を生み出す温泉のような高濃度のアミノ酸の吹き溜まりをつくることができるので、生命誕生にも大きな影響を与えたと考えられます。そして大陸移動も、できた生命、とくに動物たちが進化をとげていく大きな要因の1つでもあります。
地磁気をもっている岩石惑星と聞いただけで、地面があり、移動する、火山がある……。そういった生命へとつながる要素がいもづる式にでてくる、そんな壮大な物語のカギをにぎっているのが、水星というわけです。
かつて水星も地球のように、水が常温で存在できる場所や大気があり、生命を宿していたのかもしれません。それが惑星衝突という、まさに天変地異によって、軌道自体が内側へと移動させられ、大気や水がはぎとられ、結果的に今の位置で、地磁気だけを残して存在しているとしたらどうでしょう。いつの日か、水星でそんな太古の生物の化石が地中深くから見つかるかもしれませんね。
ほかの惑星も謎が多い
火星は、もっともホットな人類進出のターゲットである惑星です。
そんな火星も、サイズがあまりに中途半端なのです。そのミステリーを解くカギとして、こいつが外から大変動で太陽中心のほうへと移動してきたのでは、という説もあります。
太陽系最大の惑星、木星は質量では他を圧倒しているので、基本あまり大きく動くことはなかったであろうといわれています。木星は今よりも2%外側にあり、土星も10%ほど内側にあったようで、長い数十億年という歴史の中で、木星は内側へ、土星は外側へ移動をしてきました。
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