放射能は300年消えず、「食品汚染の今」 原発事故から4年、あの問題はどうなった?

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小豆川さんによれば、北関東の「道の駅」や自家野菜直売所などで販売されているキノコ類の放射性セシウムの濃度を検査すると、基準値を超えることは珍しくないという。この点について栃木県は、

「月に一度、市町村ごとに食べ物の放射能検査を実施している。スーパーも道の駅も、体制は一緒です」(林業振興課)

と、検査体制に不備はないと説明する。ではなぜ、基準値超えが検出されるのか。小豆川さんは、検査の「頻度」と「意識」の甘さを指摘する。

「福島以外の自治体は食べ物の放射能検査の測定回数が少なく、基準値超えの食品が出るかもしれないという危機意識も低い」

2万ベクレル超えも

土壌でも、これと似たような構図がある。小豆川さんによると、例えば、環境省のガイドラインにのっとって市内の空間線量率は基準値以下であることを確認したと、市が公式に発表していたとしても、公園の端っこの吹きだまりなどでは、ゆうに基準値を超える場所があるという。

実際、昨年8月、東京23区内のマンションの排水溝にたまった汚泥などを測定したところ、2万ベクレルを超える場所があった。指定廃棄物となる国の基準(1キロ当たり8千ベクレル)をはるかに超える数値だ。だが、関係する役所に通達しても、一切対応はなかったという。

「いくらオフィシャルでは『ちゃんとやっている』といっても、現実には抜け穴だらけ。この点は、放射能問題に関しては強く指摘できます」(小豆川さん)

放射能に汚染された土壌は、雨水で流され、湖沼や河川に入る。実際、栃木県の中禅寺湖では、サケ科のブラウントラウトから260ベクレルが検出された。そして、首都圏であれば多くが東京湾に流れ込むことになる──。そこに暮らす魚介類は安心なのか。

水産庁の14年度のデータでは、東京湾内で採れた魚介類はほとんどが「検出限界未満」。最高値となった旧江戸川河口部で採れたウナギも、基準値を大幅に下回る11ベクレルだった。

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