放射能は300年消えず、「食品汚染の今」 原発事故から4年、あの問題はどうなった?

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監視と教育が必要

セシウム137の放射能が1千分の1になるのは約300年後。放射能のリスクにどう向き合えばいいのか。木村さんは、引き続き「監視が必要」と話す。

「ただ、国に対してここまで不信感が強まった以上、利害関係のない第三者機関が行うことが大切。そして、調べた情報をオープンにしていくこと」

前出の小豆川さんは「教育が必要」と説く。例えば、いくら基準値が100ベクレルと規定されていても、仮にスーパーで売っている食品に放射能測定結果として「1ベクレル」と表示されていれば、都内の消費者はまず買わないだろう。「ベクレル」の正確な意味がわからないからだ。

だから、教育によって、その1ベクレルがどういうものなのか、きちんと判断できるようにすることが必要。そのためには、小中学校の段階で、放射線について基本的なところから教えることが大切だと訴える。

「事故から4年が経ち、遅きに失した感もあります。しかし、放射能のリスクに対する大きな枠組みを作る、いいタイミングだと思います」(小豆川さん)

(編集部:野村昌二)

※AERA 2015年3月9日号

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