そして、恋愛も友情も、お互いが「おみやげ」を渡し合えている限り、関係は続いていくと思っています。
でも、どちらかが「おみやげ」を受け取るだけで、何も返さなくなったら、その関係は終わるだろうと思っているのです。
利害関係とは、ちょっと違います。「おみやげ」関係は、もっと人間同士の受け渡しというか、大きなことからささいなことまで、物質的なことや精神的なこと、気持ちまで含んだ全体的な関係のことです。
僕は「おみやげ」関係が、人間関係の基本だと思っているのです。残酷な考え方だと思いますか?
人間関係は「おみやげ」を渡し合う関係
でも、あさひさんに友達がいて、その人はいつもあさひさんに頼って、いつもグチを言って、いつも相談をもちかけているとしたらどうですか?
あさひさんが自分の相談をしてもちゃんと聞いてくれなくて、あさひさんの気持ちじゃなくて、自分の気持ちばっかり言い続けたら、あさひさんは友達を続けたいと思いますか?
お互いがちゃんと「おみやげ」を渡し合う関係にならないと友達を続けられないのです。
僕は大学時代、文学好きの友達に会う前は、必死になって最新の話題作を何作か読みました。そして、「あいつならこれを気に入るんじゃないかな」と思う本の話をしました。友達は、目をキラキラさせながら、僕の情報を喜んでくれました。それは僕なりに考えた「おみやげ」でした。
どうですか? あさひさん。
あさひさんは、グループの4人にどんな「おみやげ」を渡していますか? パンケーキ屋さんに1時間半も前からひとりで並んだのは間違いなく「おみやげ」です。それ以外は、どんな「おみやげ」を渡していますか?
えっ? 自分は最下層で「おみやげ」なんて人に与えられない?
あさひさんは、すごく落ち込んでいるとき、相手が微笑むだけでホッとしませんか? それは立派な「おみやげ」です。髪を切った時、「似合ってるね」と言われたら、うれしくなりませんか? その一言は素敵な「おみやげ」です。
そして、あさひさんは、その4人からどんな「おみやげ」をもらっていますか? ただ、お昼と移動教室の時にひとりにならないというだけの「おみやげ」ですか?
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