酒で豹変する妻…危うい新婚夫婦を救う1つの方法 「お前と結婚して失敗だった」となじられる夫

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そのためにも話すことです。話すことでしか、関係を続けるのか終わらせるのかを決めることはできないのです。

今は、禁酒が続いているのですよね。ということは、アルコール依存症ではないと考えられます。

けれど、いつ、またお酒を飲んで、再爆発があるかもしれないと落ち着かない気持ちになるのはよくわかります。

カッツェさんが言うように、「お酒はトリガーにすぎないので根本的な解決に至っていない」ということは明らかでしょう。

カッツェさんが、奥さんのことがまだ好きで、そして、これからの生活を続けたいと思っているのなら、いったい、奥さんは何を我慢し、なぜ自分の感情を抑えているのかを、とことん話すしかないのです。

「何かストレスがあるのか?」というような話をしたことはありますか?

「どうしてそんなに溜まっているの?」というような質問です。

もし、まだなら、とにかく聞いてみてください。

そこで、奥さんが重い口を開いてくれれば、希望はあると思います。

何度も何度も、とことん話し合う

生き方が下手なのか、何か深い心の傷があるのか、今現在大変な難題を抱えているのか、カッツェさんに何か言いたいのか。

もし、奥さんが「自分は何も我慢していないし、何も抑圧していない」と本気で言ったら、事態はとてもやっかいなことになります。

または、もうそういう質問はしていて、「べつにそんなことは何もない」と答えていた場合です。

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一度や二度の質問の答えではないですよ。

何度も何度も話し合って、それでも、「何もストレスはない」と奥さんが本気で答えた場合です。

僕はそれでも、例えば、二人で心療内科などのカウンセリングを受けることをお勧めします。どこまで話し続けるかは、カッツェさんがどれぐらい奥さんを愛しているか、どれぐらい二人の生活を続けたいと思っているか、で決まるでしょう。

どうか、カッツェさん。

ここまで話したのですから、もう一度、とことん話し合ってみてください。

関係を続けるにしろ、終わらせるにしろ、とことん話し合うことしか方法はない、と僕は思っているのです。

そして、とことん話し合えば、どんな結論になっても、受け入れることができるだろうとも、思っているのです。

鴻上 尚史 作家・演出家

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こうかみ しょうじ / Shoji Koukami

1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲・シナリオ賞受賞。ベストセラーに『不死身の特攻兵~軍神はなぜ上官に反抗したか』(講談社現代新書)、近著に『何とかならない時代の幸福論』(ブレイディみかこさんとの共著/朝日新聞出版)、『演劇入門 生きることは演じること』(集英社新書)などがある。月刊誌「一冊の本」(朝日新聞出版)、ニュースサイト「AERA dot.」で『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』を連載中

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