暴発と話し合いを何度か繰り返し、一時は離婚も真剣に考えましたがお互いに反省し、今は「お酒をしばらく控える」ことを守ってもらい平穏に過ごしています。しかし、元々大の酒好きなのに禁酒を強いるのが申し訳ない気持ちと、お酒はトリガーにすぎないので根本的な解決に至っていないのではないかという不安から、今もどこか落ち着かない毎日を送っています。
巷(ちまた)の鬼嫁エピソードを読むと「こんなのかわいいもの」と言われる気もしますが、私が妻と向き合えていないのか、酒の問題なのか、解決の糸口を見つけきれず悩んでいます。
鴻上さんの答え
カッツェさん。大変ですね。
その後はどうですか? 奥さんはお酒を控えて、無事に生活していますか?
お酒は人を変えるとも、お酒は、その人の本心をさらけ出すとも言いますね。僕は、お酒は人を変えるのではなく、その人がふだん抑えていることを解き放つと考えています。
日常は、自制心とか理性とか意志の力でコントロールしているのに、その抑制がお酒によって麻痺するということです。
結果、「ああ、この人は、じつはこういうことを考えているのか」とか「こういうことをしたい人だったんだ」とわかるわけです。
ただし、ふだん、ものすごく自分を抑制していると、タガが外れた時、爆発的な発言や行動をすることもあるだろうと思っています。
あまりにも、日常、自分を抑えていたり、考えていることと正反対のことをしていたりして、ストレスがものすごく溜まると、お酒の力を借りて爆発してしまうのです。
「自分が本当に思っていたこと」というより、それが拡大、過激になってしまった言葉や行動です。あまりのストレスに、過激な表現をしないと納得できなくなるのです。
「殴りたい」と思っていても、「殺したい」と言わないとスーッとしないというようなことです。
奥さんは働いていますか?
もし、働いているのなら、何かそこで激しくストレスが溜まることがあるのではないですか?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら