3つめは「対等で上下を感じさせない仲間意識の高い組織『Flat』」である。
現場が活力を回復させ、現場からのカルチャー変革を実現するには、仕事そのものに対する「やりがい」を取り戻すことが必要不可欠である。
カルチャー変革とは「一人ひとりの主体性とチャレンジ精神を取り戻すこと」にほかならない。
そのために大事なことは、まとまった仕事を「まかせる」ことであり、「まかせる」とは「託す」(delegate)ことである。
また、「健全なカルチャー」を醸成するには、「上下の関係性ではなく、フラットな関係性で仕事をすること」が肝要である。
フラットな関係性とは、上下ではなく対等な立場で一緒に悩み、一緒に答えを模索する関係性のことである。そして、お互いに「教え合い」、「学び合う」ことでその関係性はさらに広がり、フラットな関係性が増えていく。
「まかせる」ことが「やりがい」につながる
「託す」という行為の裏には「信頼」「信用」がなければならない。「まかせる」範囲は社員の経験やスキルによって異なるが、「まかせる」ことによって責任感が芽生え、それが「やりがい」につながる。
細切れの「作業」(タスク)を与えるだけでは、現場で働く人たちを「作業マシーン」として扱っているのと同じことである。
それぞれが「果たすべき役割」を明確にし、「使命」(ミッション)を与えることによって、現場のモチベーションは大きく高まる。
「健全なカルチャー」に必要な「フラットな関係性」を実現するひとつの有効な方法論に「コーチング」がある。日本においても経営層を中心としたエグゼクティブ・コーチングは徐々に広がりつつあるが、コーチングが必要なのは一部の上位層だけではない。
新入社員からミドルに至る、あらゆる階層で取り入れ、「コーチングをカルチャーにまで高める」ことが必要である。それは次の3原則で成立する。
【原則② オンゴーイング】一過性ではなく、継続的に行うこと
【原則③ テーラーメイド】一人ひとりに合わせ、つねに個別対応であること
また、「コーチ役」は上の人間とは限らない。入社3年を経過したら誰もが誰かの「コーチ役」を務めることが理想的だ。
大事なのは「みんながコーチ」となるように、「みんなで教え合い」「みんなで学ぶ」カルチャーを形成することである。
「LOFT」な組織は、「みんなが先生」「みんなが講師」を務める組織でもある。
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