今問い直す、日本の「同性婚」と「結婚制度」 欧米“先進国”はどう実現したのか?

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 もうひとつは、異性カップルに認められた“結婚”とは異なる、同性カップルのための別の制度(法律)をつくるやり方です。これを『パートナーシップ法』と呼びます。
 こちらのほうが『(狭義の)同性婚』よりも早く実現されていて、いちばん初めに導入したのがデンマークです。1989年ですから、今から四半世紀も前ですね。
 フランスには『パクス』という仕組みがありますが、これも『パートナーシップ法』に該当します。ただし『パクス』は同性カップルだけでなく異性カップルも使えるので、『パートナーシップ法』の中でも、ちょっと異色なものといえるのですが。
 なおフランスでは『パクス』が導入された後(1999年)、『(狭義の)同性婚』も可能になりました(2013年)。
 フランスをはじめ、『(狭義の)同性婚』より『パートナーシップ法』の整備が先に進んだのは、カトリックの国々です。今は変わってきましたが、昔のカトリックは同性愛に不寛容だったため、同性カップルには異性の“結婚”とは別の枠組みを用意する必要があったためといわれています」

結婚とパクスは、ここが異なる!

このように、同性カップルが公的に認められる方法には大きく分けて2つの種類があることがわかりましたが、具体的に、両者はどのように違うのでしょう?

たとえばフランスにおいて、同性カップルは“結婚”も選べるし、「パクス」を選ぶこともできますが、それぞれの方法にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

両者の大まかな違いと共通点を見てみましょう。

まず共通点ですが、どちらにも税制上の優遇があります。「パクス」も“結婚”と同様に、カップル共同で所得を申告&課税されるのです。

またカップルのどちらかが亡くなった場合、住居の賃貸契約が他方に引き継がれるのも“結婚”と同様です。

両者が異なるのは、たとえば相続に関する事柄です。「パクス」の場合、カップルの一方が亡くなっても、他方が相続人になることはできません(別途書面があれば可能)。さらに「パクス」は貞操の義務がない点や、関係を解消する際(離婚)の手続きが簡単な点も“結婚”と異なります。

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