今問い直す、日本の「同性婚」と「結婚制度」 欧米“先進国”はどう実現したのか?

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ちなみに、「パクス」はもともと同性カップルのために作られた制度ですが、実際には同性カップルよりも異性カップルに人気があり、利用者の大多数は異性カップルとなっています。

なお、日本には「パクス」のような制度はありませんが、事実婚の異性カップルに対しては“結婚”にやや近い権利が認められています。

たとえば、カップルのどちらか一方が亡くなった場合、他方は借家権を引き継げますし、遺族年金の受け取りも可能です。また条件を満たしたカップルは、年金や保険について“結婚”しているカップルと同等に扱われます。さらに、貞操の義務もあります。

“結婚”と異なるのは、税制上の優遇がない点や、カップルの一方が亡くなったときに、他方が相続人になれない点などです。別途、公正証書を作成すれば相続は可能ですが、贈与税がかかります(相続税よりも高い)。

どちらを選ぶか? 両方選ぶか?

日本でも、異性と同じ“結婚”を目指すべきか? それとも、別枠の「パートナーシップ法」の整備を目指すべきか? これは当事者の間でも意見が分かれるところです。

最初から異性と同様の“結婚”が実現すれば、「パートナーシップ法」は不要だという意見もありますが、もしフランスの「パクス」のような制度があれば、異性カップルも〈結婚〉(※)しやすくなるのではという期待もあります(※ここでの〈結婚〉は2人の人間が支えあって共同生活を送ることを意味します)。

筆者はどちらも両方実現するのがいいと思いますが、みなさんはどう思われるでしょう?

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