今さら聞けない「代替肉」と「培養肉」注目のワケ 欧米を中心に若者が肉を食べなくなっている
アメリカ・カリフォルニア州の食品テクノロジー企業、ビヨンド・ミートは時代の潮流に乗り、約5300兆円規模の世界の食肉産業にパラダイムシフトを引き起こそうとしています。
ビヨンド・ミートの主力商品は、えんどう豆などの植物由来のタンパク質を材料とする肉やソーセージを模倣した、フェイクミートです。最先端の化学技術により、えんどう豆やそら豆などの植物由来の原料を用いて、風味や食感、見た目、肉汁を限りなく本物の食肉に近づけています。さらに、鉄分やアミノ酸、ビタミン等をブレンドし、高い栄養素を含んだ食品となっており、「次世代の食」としてベジタリアン以外の肉食者からも注目されています。
ビル・ゲイツやセルゲイ・ブリンも注目
現在、小売り大手のホール・フーズ・マーケット、アマゾン、セーフウェイやクロガーなど、アメリカ2万7000以上の店舗やレストランがフェイクミートを取り扱っており、精肉コーナーに肉と一緒に陳列されています。驚くことに同社の製品を購入する消費者の70%が肉食者だそうです。
ビル・ゲイツやセルゲイ・ブリンなど、シリコンバレーの投資家や、アメリカ食肉最大手であるタイソン・フーズなどの大手食品メーカーが積極的にビヨンド・ミートに投資しています。代替プロテインを手掛ける企業は増加しており、ヨーロッパ、アメリカ、中国を中心に、2018年からの5年間、平均6.8%で市場が拡大していくと予想されています。
また、代替プロテインとしては、藻類、昆虫なども注目されています。微生物と植物の両方の特徴を持っている微細藻類は、燃料となるだけではなく、タンパク質や炭水化物になる潜在能力を秘めており、CO2も吸収します。微細藻類から生成される物質は、エネルギー産業をはじめ、今後深刻なタンパク質不足が危ぶまれる食品産業、原料不足の発酵産業や化学産業などさまざまな産業への提供が可能となります。
実は、代替プロテインといわれるものは古くから存在しており、日本では、豆腐やテンペなどを昔から代替肉として料理に使用してきました。イギリスでは、1985年にマイコプロテインといわれる真菌由来のタンパク質を原料とした代替肉が登場し、欧米を中心に販売されています。
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