アメリカの裏庭「中南米」で中国の存在感が増す訳 ブラジル大統領選が迫る中、周辺国は左派台頭

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共和党のトランプ前大統領やその支持層の保守派市民は、メキシコ国境を越えて押し寄せる中南米移民に対するバイデン政権の「弱腰」を激しく攻撃している。バイデン氏が中南米対応で期待したアメリカ史上女性初のカマラ・ハリス副大統領も目立った成果を挙げられていない。

その一方で、中南米の首脳は歴史的に、強いリーダーであることが望まれる傾向が強く、その矛先は北の超大国であるアメリカに向きがちだ。

特に、左派首脳は不況やコロナなどによる内政の危機が大きければ大きいほど、アメリカへの強硬姿勢を示すことで国民の不満から目をそらさせる傾向が強い。バイデン氏が米州首脳会議で中南米の結束を揺るがす姿勢を見せたことを左派首脳は見逃さず、恰好の攻撃材料となったわけだ。

資源・食料価格高騰など財政状況は厳しい

ピンクの波が押し寄せ、資源国有化により貧困層へのバラマキができた20年前とは違って、世界的な資源・食料価格の高騰に伴って各国の財政状況は厳しい。財政健全化を優先するならば、左派政権各国も反米色を弱めてアメリカとも中国ともバランスを取って協調する姿勢を取るだろう。

ただ、中国が財政やワクチン支援にとどまらず、ありとあらゆる手で浸透を図り続けるのは間違いなく、アメリカへの強硬姿勢を固持しながら、中国と手を握る国が増え続けても不思議はない。中南米は今後も左に振れ続けるのか。それは、アメリカの態度次第だろう。

東村 至恩 ジャーナリスト

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ひがしむら しおん / Shion Higashimura

東京都23区出身。早稲田大学卒業後、大手マスコミに入社。地方支局、東南アジア、欧米地域に駐在し、座右の銘の「毒食らわば皿まで」の精神で国際情勢を取材する。ゴルフのアベレージは80台。独身(バツイチ)

 

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