一方で、受給する年金額を上げられないのでしょうか。
ここでは年金を増やす方法を3つ紹介します。
会社員の場合、「厚生年金に加入して収入を上げてかつ長く働くこと」で、将来受給できる厚生年金の額を増やすことができます。
厚生年金は70歳まで加入できます。たとえば、60歳以降に平均月収20万円で60歳から65歳まで働いた場合は、年間で約6万6000円、同様に60歳から70歳まで働いた場合は年間13万2000円、厚生年金額を増やすことができます。
年金は生涯ずっと受け取れるので、長生きすればするほどもらえる額が増えます。
65歳以降は「年金を繰り下げること」(年金の受給開始を遅らせること)で年金を増やすことができます。現在、年金を受給できるのは原則65歳からですが、65歳から75歳の間で受給のタイミングを選ぶことができます。
年金の受給開始を1カ月遅らせるごとに、受け取れる年金の額は0.7%ずつ増加し、70歳まで繰り下げれば42%(75歳まで繰り下げれば84%)も受給額を増やすことができます。老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに繰り下げることも、どちらか一方だけ繰り下げることもできます。
何歳から年金をもらうのがよいかは「何歳まで生きるか」によりますが、損益分岐点は、受給開始年齢から約11年11ヵ月目です(100%÷8.4%≒11.904)。
70歳まで繰り下げた場合は、約81歳11ヵ月です(税金や社会保険料、加給年金などは考慮せず)。
平均寿命が延びていることを考えると、少しでも多くもらえる繰り下げ受給も選択肢の1つになります。
免除や猶予の措置を受けていた人は?
国民年金に10年間加入していれば、老齢基礎年金を受け取ることができます。
もっとも、満額を(令和4年度77万7800円)受給するためには、国民年金に40年間加入している必要があり、この間に保険料の免除期間や猶予期間があると、受給額が少なくなってしまいます。最大で過去10年までさかのぼって納められるので、免除や猶予の措置を受けていた方は、できるだけ追納して受給額を増やしたほうがいいでしょう。
また、60歳から65歳までに「任意加入」をして保険料を支払うことでも、老齢基礎年金の受給額を増やすことができます。
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