九州の全鉄道をカバーする「旅名人きっぷ」の威力 JR以外も乗れて有効期間は3カ月、どう使う?

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4両編成の列車は、乗れるのは先頭車両だけで後ろ3両は立入禁止となっている。先頭車は半分が普通車、半分がグリーン車である。

さっそく乗務員に1000円を支払う。ゆったりした1人席での宗太郎越えは快適であった。曇天の杉林、鐙川沿いの景色。晴れていなくても車窓は楽しい。あっという間の1時間であった。なかなか機会はないと思うが、鉄道ファンでなくとも一度乗ってみると面白いと思う。

グリーン券
「1日1本の普通列車」のグリーン券(筆者撮影)

延岡から西都城行きに乗り換える。美々津駅を出ると昔のリニア実験線の跡が見えてくる。昭和のころの設備である。テントウムシみたいな形の車両だった。小学生の頃、子供でも理解できるリニアモーターカーの仕組みを本で読んで、なるほどと思ったものだ。あれから数十年、リニアの行方はどうなるのだろう。

国鉄時代の車両、1世紀の歴史ある駅…

都城駅から吉都線、肥薩線経由の隼人行きに乗車した。国鉄時代の気動車キハ40系で、ノスタルジーを感じる。今日はずっと天気が悪く、雨が強くなってきて、景色が見づらくなる。けれども昔ながらのボックスシートとディーゼルのエンジン音と揺れが心地よい。

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時間に余裕があったので登録有形文化財である100年以上歴史のある大隅横川駅で降りた。第二次世界大戦の機銃掃射の跡がいまだに残っている。嘉例川駅よりも生々しいかもしれない。

後続の列車で、5月と同様に嘉例川駅から鹿児島空港に向かった。空港のカフェバーで焼酎を何杯か飲むと、前回と同様に離陸したこともわからず羽田空港に到着した。

残念ながら、この旅の直後からコロナ第7波の感染拡大が始まった。今夏は「行動制限のない夏休み」などと報道されたが、つねに大切なのは感染対策など「自ら判断して行動する」ことだと思う。

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八田 裕之 週末旅行家

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はった ひろゆき / Hiroyuki Hatta

1967年生まれ。武蔵工業大学(現:東京都市大学)工学部電子通信工学科卒。JR全線完乗した鉄道ファンにして、Jリーグをこよなく愛する。平日は会社員だが休日はJリーグ遠征で全国奔走の日々。フュージョンバンド「Quiet Village」のリーダーとしてギターと作曲を担当、オリジナルアルバム発表、鉄道コンピレーションアルバム参加など、音楽活動も行う。

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