九州の全鉄道をカバーする「旅名人きっぷ」の威力 JR以外も乗れて有効期間は3カ月、どう使う?
私はJ2リーグのジェフユナイテッド市原・千葉を応援しており、できる限り現地で観戦している。今シーズンは5月21日土曜日にアウェーのロアッソ熊本戦、7月2日土曜日にアウェーの大分トリニータ戦があった。3カ月内に収まっているではないか。活用しない手はない。
日程は、熊本戦を土・日曜、大分戦を金曜午後~日曜までとした。前者で1日、後者で2日利用とすればきれいに消化できる。
熊本戦のキックオフ時間は13時、当日朝の羽田発の飛行機で間に合う。「えがお健康スタジアム」は空港から7km程度と近い。その気になれば歩くこともできるが、豊肥本線・肥後大津駅まで約15分で結ぶ「空港ライナー」(ジャンボタクシー)を使い、光の森駅からシャトルバスで向かうこととした。
30分に1本の「空港ライナー」は驚くことに無料だ。国交省・地方航空活性化推進室発行「自治体等の取組」によると、2011年10月から試行が始まり2017年4月から本格運行、年間約4000万円の予算規模で運行している。さらに熊本県企画振興部による「令和4年2月 阿蘇くまもと空港アクセス鉄道整備に向けた取組み状況」を参照すると、空港への鉄道の検討もなされており、経緯や状況がよくわかる。こういった自治体の取り組みに少しでも役に立てたら、と旅行者としては思う。
三セク鉄道に乗れるメリットを活用
熊本戦は1-1の引き分けであった。光の森駅から熊本駅に出て「旅名人きっぷ」を購入。この日から有効となるが、期間は3カ月あるので翌日から使っても問題はない。八代駅に出て、路線バスで日奈久温泉に向かった。
日奈久温泉は、第三セクターの肥薩おれんじ鉄道が通っている。JR以外も使えるこのきっぷの利点を活かそうと考えたのだ。
この温泉は、1409(応永16)年に発見されたとされる。宿で聞くとやはりコロナの影響は大きく、一番は宴会がないこと。災害のときには工事作業員で埋まったが、以前勤めていた宿では、宴会場を閉鎖したとのことだった。
翌朝、鄙びた日奈久の町を散策しながら駅に向かう。5月というのに夏のような暑さ。古くからの商店街や、なまこ壁の古民家「村津邸」を見学しつつ、日奈久温泉駅に着いた。駅できっぷに日付のスタンプをもらいホームに出ると、跨線橋の階段には国鉄時代の「いい日旅立ち」という文字が残っている。
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