九州の全鉄道をカバーする「旅名人きっぷ」の威力 JR以外も乗れて有効期間は3カ月、どう使う?

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翌日からは「旅名人きっぷ」の出番だ。久大本線に乗って大分に向かった。途中、日田で降りると、駅前のコンクリート作りのオブジェが目に止まる。「HITA」のはずが「H TA」になっている。Iが誰かのいたずらで倒されたのかと思って調べたところ、その場所に人が立つことにより「訪れる皆さまの愛(I)でHITAと完成させてください」と日田市観光課の説明を見つけた。

日田駅前
日田駅前のオブジェ。「I」が抜けているのには理由がある(筆者撮影)

日田で有名な焼きそばを食べたあと、大分へ。豊後森に近づくとプリンの形のような緑の伐株山が見える。巨大な木のおかげで日当たりが悪く、困った住民がみんなで切り取ってできた切株という伝説が残っている。正式にはメサ地形と呼ぶのだが、伝説に夢を感じる。今回は降りなかったが、近代化産業遺産に認定された旧豊後森機関庫に立ち寄るのもいい。古い機関庫や転車台が残っている。

肝心のアウェー大分戦は、2点先制したものの3失点を食らう逆転負けであった。ガッカリするとともに私はシャトルバスへ急いだ。この日のうちに佐伯まで移動しないといけない。大分駅21時47分発の列車で、23時5分に佐伯駅に到着した。

「1日1本」の列車で峠越え

翌朝は雨であった。ここで、冒頭で紹介した1日1本のみの県境を越える延岡行き普通列車に乗車する。

実はこの列車、787系という特急車両を使用しているのだ。グリーン車もついている。ただ、18きっぷの利用案内には、別途料金を払えば普通列車自由席グリーン車を利用できるとあるものの、「旅名人きっぷ」の説明書にはその記載はない。

念のため、きっぷを駅員に見せて「グリーン車に乗ることはできますか?」と聞くと「車内で料金を払ってください」とのことであった。もっとも、九州の普通列車でグリーン車があるのはこの列車のみである。

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