日本の先を行く、タイの「女子力男子」 なぜ、これほど男性美容が盛り上がるのか?

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価格帯で言えば、洗顔フォームは120バーツ前後のものが多く、大卒初任給が1万3000~1万5000バーツと言われているタイにおいて、決して安い商品ではありません。

男性用コスメ売り場には多数の商品が並ぶ

また化粧品に限らず、Men’s Health Thailandという雑誌や、男性のスキンケアについて書かれた本が人気ですし、MANSOMEという【MAN】と【HANDSOME】を組み合わせたネーミングのドリンクなどもあります。このドリンクにはビタミンCやコラーゲンが配合されており、美容や健康を気にかける若者男性に人気があります。

そして日本ではあまり多くないことですが、タイの男性の間ではプチ整形を行う人が少なくありません。

タイの美容クリニックの宣伝ポスター

これは、バンコクにある美容クリニックの宣伝です。宣伝に起用されている青年は鼻を整形したようで、費用は1万8000バーツ(約6万円)とのこと。

日本では整形はタブーなイメージがあり、友人に打ち明けられない人もいますが、タイ人は「俺、整形して、かっこよくなったでしょ?」とあっけらかんとしている人が多いそうです。

なぜ、男性美容が広がったのか

ではなぜタイ人の若い男性たちは、ここまで美容に気を遣うようになってきたのでしょうか。それには2つの理由があると思います。 

別のタイ人男性。彼も自宅に多数の基礎化粧品を持つ美容男子だった

まず第1に、SNSや自撮り文化が浸透しているタイでは、自分をきれいに見せたい、かっこよく見せたいという意識が他国よりも強いということです。

彼らは男女問わず、自分の顔を撮影して、1日に何度もSNSに投稿します。私の友人の大学生は1日に友達と300枚以上自撮りしたこともあったと言います。

このようにSNS好きであり、自分の顔をかなりの頻度で投稿するため、自分のことをよりかっこよく見せよう、肌も汚いと思われないようにしようという意識が強く、男性用化粧品の需要が高まっているのではないでしょうか。

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