約50時間で完結する計画のうち、今回公開されるシーズン1は約8時間分、全8話で構成されています。トールキンの伝説的なキャラクターたちが、「中つ国の第二紀」という架空の舞台で再び出現する悪玉サウロンや邪悪な兵士オークらに立ち向かっていくというのが大枠のストーリーです。すでに公開された1、2話から試練の旅が始まり、それぞれの運命がぶつかり合っていくことを予感させます。今シーズンだけで制作にかけた推定総予算は640億円を超え、単純概算すると1話あたり80億円もかけてファンタジー作品の醍醐味である最高レベルのVFX編集による映像美で見せつけてきます。
大金をかけた割に駄作という作品が少なくもないなか、そんな心配もいりません。人間臭さに迫ったヒューマンドラマとしてのストーリー性の良さがあるのが本作の魅力。例えるならば、海外ドラマの金字塔「ゲーム・オブ・スローンズ」的な味わいがミックスされています。Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏が「われわれには『ゲーム・オブ・スローンズ』が必要だ」と発言したことをきっかけに、企画が走り出したという背景からも裏付けられます。
多視点でヒューマンドラマを展開
言うなれば、海外ドラマを好む層に焦点を当てています。青年が仲間を集めて冒険するという昔ながらの単一視点の作品ではありません。森を守る耳が尖った美男美女の「エルフ」や牧歌的な場所で遊牧民として生きるホビット支族の「ハーフット」、地下鉱山に住む「ドワーフ」、広大な美しい島国に住む「ヌーメノール人」などさまざまな種族が登場し、多視点でヒューマンドラマが展開されていくのです。
はじめの1、2話だけでも主要キャラクターとして、高名な女性エルフ戦士ガラドリエル(モーフィッド・クラーク)やエルフの青年高官エルロンド(ロバート・アラマヨ)、好奇心旺盛なハーフットの少女ノーリ(マルセラ・カヴェナー)、南方国の治療師でシングルマザーのブロンウィン(ナザニン・ボニアディ)など華がある役者が演じる多様なキャラクターが見せ場を作ります。
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