佐藤正久「ロシアは相手が嫌がることをやる天才」 プーチンの「コソボ独立への批判」をどう考えるか
松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):佐藤さんは先ほど「ロシアは原発を盾にしている」とおっしゃったが、ロシアは原発を軍事拠点化して、そこからさまざまな攻撃をしているということか。
佐藤正久氏(自民党外交部会長、元外務副大臣):ジュネーブ条約には、原子炉のような危ないところを攻撃してはいけないという規定がある。(戦争当事国は)互いに原発を盾にとるのもだめだし、原発を攻撃することもだめだ。原発を拠点として相手を攻撃することも、弾薬庫・補給庫的なものとして使うことも条約違反だ。ロシアは禁じ手を使っている。それよりもロシアの一番の狙いは、電力をウクライナ側に渡さないこと。ロシア化を目指すクリミアのほうに電力を向け、自分たちでそれを使いたいという思いのほうが強いではないか。
ロシアは相手が嫌がることをやる天才だ。国連があまり機能しないという前提で、われわれは、このウクライナ侵略をどういう形で決着まで持っていくかということを考えないといけない。
松山キャスター:膠着状態にあるウクライナでロシアが今後何をしようとしているのか。新しい動きが出ている。
「コソボ独立」の話に明確に答えられない西側諸国首脳
梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):ウクライナの5つの州でロシアが住民投票を実施する方針を打ち出している。プーチン大統領は24日、これらの州に対し教育費の支援を指示した。6歳から18歳の子どもを持つ家庭に1万ルーブル、日本円でおよそ2万3000円を支給するという。
橋下徹氏(弁護士、元大阪府知事、元大阪市長):こういう形でロシアが住民投票を強行することは反対だ。ただ、ちょっと東野さんに伺いたい。安倍元首相から聞いた話だが、国際会議の場でプーチン大統領が西側諸国の首脳に迫ってくるときの一番の話題、テーマは「コソボの独立」だそうだ。とにかくプーチン大統領は「コソボ独立」の話を持ち出してくるという。その際、西側諸国首脳は皆明確に答えられないと。