日立、イタリア社と鉄道事業の買収で基本合意=関係筋 買収額は2500億円を超える見通し

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 2月23日、関係筋によると、フィンメカニカが24日にも日立への鉄道車両・信号事業売却を発表する見通しだ。写真は日立のロゴマーク。都内で2012年10月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[ロンドン/ミラノ/東京 24日 ロイター] - 日立製作所<6501.T>はイタリアの防衛・航空グループ、フィンメカニカ<SIFI.MI>と鉄道事業の買収で基本合意した。2人の関係筋が明らかにした。

日立は、フィンメカニカが全額出資する鉄道車両製造事業のアンサルドブレダと、40%出資する鉄道信号システム事業のアンサルドSTS<STS.MI>の両事業の株式を取得する。その後、アンサルドSTSの完全子会社化に向けて、TOB(株式公開買い付け)を表明する見通し。

アンサルドSTSの時価総額は17億7000万ユーロ(約2300億円)。アンサルドブレダと合わせて日立の買収額は2500億円を超える見通しで、同社の企業買収では過去最大となる。

フィンメカニカは24日にも鉄道事業の売却先が日立に決定したことを発表する見通し。前週末20日の取締役会で承認を得ており、週明けに合意文書に署名する予定になっていた。

フィンメカニカが計画する鉄道車両・信号事業の売却は、日立とともに、中国のハイテク企業、浙大網新(インシグマ)<600797.SS>が関心を示したことで決定が遅れていた。この件に関して日立の広報は「当社が発表したものではない」とした。

日本と英国を中心に展開する日立の鉄道事業の2013年度の売上高は1682億円。イタリアの鉄道事業の買収で、欧州地域を強化する。フィンメカニカの鉄道信号事業は採算性があるが、赤字の車両鉄道事業の立て直しが課題になる。

世界の鉄道事業では、独シーメンス、仏アルストム、加ボンバルディアの3社が、売上高8000億円前後でトップを競っている。日立は今回の買収でこれら「鉄道3強」のそれぞれ売上高の半分程度まで追い上げる。しかし、年内には、中国北車と中国南車が統合して世界最大手になる見通しで、鉄道メーカーのグローバルな再編が加速している。

*内容を追加します。

(村井令二 Pamela Barbaglia and Danilo Masoni)

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