リモート会議「つい自分の顔を見てしまう」弊害 会議中に聞いているふりをしていないか??
オンライン会議では、リアルと比べれば余計にリンゲルマン効果が増大しやすい。自分がその他大勢のうちの1人と感じるようになればなるほど、会議に「参加しているフリ」が横行するだろう。そして、会議への貢献が皆無に等しければ、参加する意義も、参加した充実感も感じられない。
しかも、神経遺伝学のデヴィッド・ゴールドマン博士によれば、「幸福になるカギは、今という瞬間にどっぷりとひたることにある」という。つまり、ひとつのことに集中して取り組むことは、そのまま「幸福感」に直結している。
リアル会議と異なり、リモート会議では、場合によってはメールを開いて返信したり、何かの資料をつくったり、「ながら」で会議に参加できてしまうかもしれないが、本当のところ、人は1つのことに専心しているときのほうが充足感を覚えるということだ。
だからせめて、会議の参加のときは、マルチタスク(会議に参加しているふう)をやめて、目の前の対話に集中することが大事だ。それによって生産性が上がるだけでなく、深い幸福を感じられるというのだから、一石二鳥でやらなきゃ損だ。
参加者を限定して会議に集中させる
実は、2010年にハーバード大学で行われた面白い実験結果がある。それによると、研究者たちは成人被験者2250人の「機嫌のよさ」や、「今の作業にどのくらい集中しているか」などを、ランダムな間隔を置いて評価した。
すると、仕事に熱心に取り組んでいる人ほど、幸福を実感していることがわかった。同様に、すぐに気が散ってしまう人ほど幸福を感じる度合いが低いことも判明した。そういう意味でオンライン会議参加者を決して1人残らず「観客」にしてはならない。
では、どのようにすれば、リンゲルマン効果を抑え込み、リモート会議でさえ機能する場にすることができるだろうか? 場そのものが働くようになり、参加者一人ひとりが会議に集中し持てる力を出し惜しみせずに発揮する「選手」にすることができるだろうか?
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