結婚して25年「いまだ冷めない夫婦」の決定的秘訣 ブラジル人夫が指摘「家族より会社」は日本的

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Kさんが作ったブラジル料理、フェジョアーダ。MさんはSNSでも時折写真を載せ、その料理の腕を絶賛している(写真提供:Mさん)

ブラジルの「家族第一主義」の背景には、「家族に何かトラブルがあるときに無理やり仕事を続けさせても、心配で仕事に集中できない。仕事のパフォーマンスも下がるから、そのほうが会社にとってマイナス」という考え方もあるそうです。

そんなブラジルと日本の比較、ほかにも興味深い話を聞きました。ブラジルでは、家族の妊婦検診に夫も同行するのは珍しくないのですが、その背景には「病院でどんな問題が起きるかわからない。病院が信頼できない」という事情もあるそうです。一方、日本の産科は世界トップレベルで、よほどの病院でないかぎり、そんな心配はありません。

ちなみに、筆者が以前住んでいたスペインも、「夫が妊婦検診についていくのは当たり前」という文化がありました。妻が妊婦検診の日に夫が出社してると「なんで一緒にいかないの? 行ったほうがいい!」と同僚に言われたというエピソードを聞いたことがあるほどです。そこであらためて、スペイン在住で出産経験もある友人に聞いてみたところ、スペインの理由は「病院への不安」ではなく、「家族を大切にする」「パートナーとは常に一緒に行動する」という文化があるからではないか、と言われました。

育児に関係する同じ行動でも、その背景にある理由はさまざま。そんなことも今回の取材でわかった興味深いところでした。

大きな山場を一緒に乗り越えられるか?

とにかく、このご夫婦の場合は、夫が「家族がいちばん大切」という信念があったからずっと夫婦仲良くいられたのは間違いない事実です。育児と介護は家族の大きな山場。そこを一緒に乗り越えられたかどうか(ずっといっしょにやらなくても、せめて心に寄り添ってくれたかどうか)は夫婦仲にとって本当に大きいものだな、とあらためて実感したのでした。

というわけで、今回のつかれないヒントは……

残業ばかりで育児する時間もないしつかれた

その残業は何のため?
本当に尽くした分、家族と自分をずっと守ってくれる会社か、
その見極めは大事。長期的に考えてみよう。
この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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