「発言しない人」「話し続ける人」差を埋めるスゴ技 数人だけが発言している状況をどう変える?

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当然、今の僕たち人間のスキルでは、残念ながら、会議は基本的に一度に1しか話せない。ということは誰かが1人話しているとき、他のメンバーは全員黙って聞いている状態を意味する。

黙って人の話に耳を傾けているうちに、せっかく浮かんだアイデアを忘れてしまうという経験はあなたにもあるかもしれない。「いいたいことがあったんだけど、何だっけ?」というやつだ。かといって、自分のアイデアをどう発表すべきかを考えるばかりに忙しく、人の話をまったく聞いていないとなると、それはそれで問題だ。

一方で、自分が話す段になったときには、話の流れ的に、今さらこれをいってもしょうがないという判断が起こったとしても、これまた全然不思議なことではない。いつだって、何をいうかより、大概、誰がいうかにウエイトが置かれているケースがほとんどだ。

さらに参加人数がもし大勢ということになれば、ましてそれがオンラインならば、発言する機会を見つけるのはなかなかどうして簡単ではない。特に伝統的なブレストでは、ほんの一握りの出席者が発言の7割を独占しているというデータさえある。

会議の量も質もアップする

このように書いて発表する時間(オンラインの場合、チャットに打ち込むなどがある。オンラインの会議のやり方は別の章で扱う)を設けるだけで、量も質も上がるのは間違いない。意見を書く。書いたものをそのまま読む。それをやり尽くしたうえで、対話をする。そのようなハイブリッドの探索であれば価値が生まれるのは間違いなさそうだ。これが第1のメリットである。

2つ目の書いて発表するメリットとして、ロング・スピーチを防げるというのがある。会議に会長だろうと、大株主だろうと、どんなVIPが参加していようと、書いて、それを読むという会議手順が合意さえされていれば、ほぼ平等に発言の時間が確保される。

ところが、この会議手順が抜け落ちた会議のままだと、ご周知のとおり、場合によっては会議の場が独演会と化していく。そして、その感動的に長いスピーチを誰も止められないまま会議が終了となる。

それが必ずしも悪いわけではない。ただ、多くの場合、本来の会議の目的、意図・意味を果たせなかった疲弊感や閉塞感は、組織にダメージを与える。ファシリテーターは、決してそこから目を背けてはならない。

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