競争率100倍!「イオンの農業」人気の秘密

野菜生産面積は日本最大級、次はコメにも

――直営農場であることのメリットは何か。

農業経験のない正社員が農地を耕して作物を育てることで、失敗しながらもいろんなノウハウを蓄積していける。人まかせのままでは実際の生産コストが分からない。

また、自ら生産することで取引先である農家の思いや気持ちがわかるようになる。長年やっている農家の方にはかなわないかもしれないが、われわれ の生産レベルもだいぶん上がってきている。

もちろん企業が参入するときには農家との関係が大切になる。地元の方とのコミュニケーションをしっかりとることが重要で、大規模なコメ生産が始めら れるのも、これまでに信頼関係を築いてきたからこそ。

昔は「石高」という言い方もあったように、コメはやっぱり日本の主食であり、農家の思いは野菜以上に 大きいと感じている。コメ生産をしっかりと担っていきたい。

年間の収穫量は50~60トン

ふくなが・やすあき●1995年にウエルマート(現・マックスバリュ西日本)入社。マックスバリュ西日本の農産商品部長、イオンのアグリ事業プロジェクトチームサブリーダーなどを経て、2012年にイオンアグリ創造社長に就任(撮影:尾形文繁)

――生産から販売までの予定は?

今は田起こし(稲を植える前の土を掘り起こす作業)を始めたところ。田植えは4月~5月頃になるだろう。9月下旬に収穫し、埼玉県内のイオンで主に『トップバリュ』ブランドとして販売する予定だ。

年間の収穫量は50~60トンぐらいを見込んでいる。品種としては、(埼玉県推奨品である)『彩のかがやき』を中心に栽培する予定だが、ほかにもいろいろな品種や植え方を試してみたいと思っている。まだ1年目なのでどのやり方が最適なのか、生育状況を見ながら検討していく。

――利益を出せるのでしょうか?

確かにこれまでやってきた野菜は年に数回作ることもできるし、ハウス栽培も可能だ。さらに汎用性も高くデリカやカット野菜にもできる。一方でコメはそうしたことができないため、ある意味難しいのは確かだ。

次ページコストは圧倒的に下げられる
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 日本と中国「英語教育格差」
  • 検証!ニッポンの労働
  • 岐路に立つ日本の財政
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
スペシャルインタビュー<br>元ラグビー日本代表・畠山健介

今年から米メジャーリーグ・ラグビーのチームに所属、華やかな選手生活とは裏腹に幾多の葛藤を乗り越えてきた畠山選手。「ラグビーファンの拡大には、リーグのプロ化が不可欠だ」。新天地にいる今だから見えてきた日本ラグビー改革論を熱く語ります。